外壁補修をせず、汚れやひび割れを放置すると、家の寿命を縮める可能性があります。
外壁の汚れやひび割れが原因で、雨漏りや外壁の剥がれなどのリスクが想定できるためです。
しかし、外壁補修は費用が高いイメージがあり、なかなか手を出せないという人が多いのではないでしょうか?
本記事では、外壁補修の費用相場や補修の内容を解説します。
外壁補修の費用を大幅に節約できるポイントもあわせてご覧ください。
目次
外壁は「10年に1度」が補修の目安
外壁に使用されている素材にもよりますが、外壁補修は10年に1度が目安です。
ただし、外壁の塗装が剥がれている・ひび割れが目立つ、といった場合は早めに対応すべきです。
なぜなら、ダメージが外壁下地まで達すると、浸水や雨漏りなどによって家の劣化が早まるため。
外壁下地の補修が必要になると、工事が大掛かりになるぶん、より多額の費用が必要となります。
なお、外壁補修の目的・種類などは「外壁補修の目的とは?作業方法や壁の種類、注意点を解説」でも解説しています。
【ケース別】外壁補修の費用相場とは?
外壁補修の費用相場は、外壁の状態や使用する資材によって異なります。
おもな外壁補修の費用相場は以下の通りです。
- ひび割れ補修:1~50万円
- コーキング補修:5~20万円
- サビ取り:4千~35万円
- 雨漏り補修:1~50万円
- モルタル塗装・補修:100~120万円
- サイディング外壁の塗装補修:60~180万円
- サイディング外壁の張替え補修:170~250万円
- サイディング外壁の重ね張り補修:100~220万円
- カビ・コケ補修:2~50万円
それぞれの補修内容を、詳しく解説します。
費用相場1.外壁のひび割れ補修は「1~50万円」
外壁のひび割れは、モルタルで補修する方法が一般的です。
1㎡あたりの単価は1,700~2,500円が相場で、補修する外壁の広さや足場の有無で費用に差が生じます。
具体的な費用の目安は以下の通りです。
- 足場あり:1~50万円
- 足場なし:1~5万円
軽度のひび割れのパテ補修は「外壁のひび割れ補修におすすめのパテとは?業者に依頼すべきかも解説」で解説していますので、あわせてご覧ください。
費用相場2.コーキング(シーリング)外壁補修は「5~20万円」
コーキングは、外壁のすき間を埋めるための素材です。
シーリングと呼ぶ場合もありますが、素材の使用目的に違いはありません。
コーキングによる外壁補修の方法は大きく分けて2つ。
コーキングを打ち増しするか打ち替えるかです。
打ち増しは1mあたり700~900円、打ち替えは1mあたり900~1,200円ほどかかります。
業者に依頼した場合、費用の目安はいずれの場合も5~20万円です。
コーキングとシーリングの違いは「コーキングとシーリングは同じ?外壁補修の必要性や方法を詳しく解説」をご覧ください。
費用相場3.外壁鉄部分のサビ取り補修は「4千~35万円」
サビは度合いによって1~4種に分けられ、数字が小さいほど重度となります。
サビの度合いごとの費用の目安は以下の通りです。
- 1種ケレン:研磨剤でサビを落とす大掛かりな作業が必要な状態。費用の目安は35万円。
- 2種ケレン:サビの範囲が広く、電気工具を使用する必要がある状態。費用の目安は20万円。
- 3種ケレン:一般住宅に多く、サンドペーパーでサビを落とせる状態。費用の目安は8万円。
- 4種ケレン:サビや腐食になる前の状態。費用の目安は4,000円。
家をサビから守りつつ費用を抑えるには、4種ケレンの状態でこまめに補修するのが効果的です。
費用相場4.外壁の雨漏り補修は「1~50万円」
雨漏りの補修は、雨漏り箇所や範囲などによって費用に差が生じます。
雨漏りの原因調査方法は、目視・散水調査など7種類あり、どの方法で調査するかによっても費用が異なります。
雨漏りの原因調査方法を詳しく知りたい場合は「ビルで雨漏りが発生する原因とは?調査・応急処置の方法も解説」をご覧ください。
費用相場5.外壁のモルタル塗装・補修は「100~120万円」
外壁をモルタル塗装で補修する場合は、材料費のほかに足場代が必要となるため、費用は高額です。
モルタル外壁の寿命は5~15年が目安で、定期的にメンテナンスできれば長持ちします。
モルタル外壁は、目視で膨れや剥がれがあれば補修が必要なサイン。
なお、剥がれている部分は、外壁のかけらが落ちてくる可能性があります。
そのため、剥がれている部分を見つけた際は、あまり近付かないようにしましょう。
費用相場6.サイディング外壁の塗装補修は「60~180万円」
サイディングは、近年の一般住宅の外壁に多用される素材です。
窯業系・金属系・木質・樹脂系などの種類があり、詳しくは「外壁補修の目的とは?作業方法や壁の種類、注意点を解説」に掲載しています。
サイディングの塗装費用は使用する塗料・範囲・足場の有無で異なり、足場が必要な場合は高額になりやすいでしょう。
費用相場7.サイディング外壁の張替え補修は「170~250万円」
サイディングの張替え補修は、既存のサイディングを剥がして、新たなサイディングを張り付ける方法です。
ただし、サイディングの張替えは廃材が多く発生し、工事には足場の設置が必要で高額になりやすい点に注意。
費用を抑えるには、専門業者に相談の上、次で解説する重ね張り補修が可能かどうかを確認するといいでしょう。
費用相場8.サイディングの重ね張り補修は「100~220万円」
サイディングの重ね張り補修は、カバー工法とも呼ばれ、既存のサイディングに新しいサイディングを張り付ける補修方法です。
「サイディングを交換しなければ意味がないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、サイディングは外壁の上に張り付ける板材のため、重ね張りでも補修の効果は十分にあります。
サイディングの重ね張り補修は、張替えと比べて廃材が少ないため、費用も抑えやすいのがメリットです。
費用相場9.外壁に生じたカビ・コケ補修は「2~50万円」
カビやコケの補修費用は、足場の有無で大きく異なります。
足場なしの費用目安は2~3万円ほどなのに対し、足場ありでは30~50万円。
足場が必要な場合は高額になりますが、カビやコケの放置はおすすめしません。
カビやコケを放置すると、外壁の劣化促進に加えて、健康被害が懸念されるためです。
カビやコケは、水洗いやスポンジで磨くと落ちるものもあるため、定期的に取り除きましょう。
なお、水洗いやスポンジで落ちない場合は、ホームセンターでレンタルできる高圧洗浄機を使用する方法もあります。
カビが原因の健康被害は「スーパーマーケット天井のカビはどう対処すべき?放置厳禁な理由とは」で詳しく解説しています。
外壁補修を低コスト化する3つのポイントとは?
外壁補修の費用は、場合によって100万円以上と高額になるため、少しでも安くしたいという人が多いのではないでしょうか。
外壁補修を安く済ませるための3つのポイントを解説します。
ポイント1.DIYで外壁補修を抑える
軽度のひび割れであれば、DIYで補修可能です。
ただし、DIYに不慣れな場合や高所作業が必要な場合は要注意。
不慣れな場合は、十分に補修できず状態が改善されない可能性があり、高所作業は怪我のリスクが付きまといます。
外壁補修をDIYする方法や、業者に依頼すべきかを判断するポイントは「外壁補修をパテでDIYする方法を解説!修理可能かの判断ポイントも」に掲載しています。
ポイント2.外壁補修費用に火災保険を適用できるか確認
自然災害によって外壁補修が必要となった場合は、火災保険が適用できるケースがあります。
火災保険が適用されると、修理費用の大幅な削減に期待できます。
外壁補修を依頼する際は、保険業者に火災保険が適用になるかどうかを必ず確認しましょう。
なお、火災保険の申請方法は「雨漏り修理で火災保険は適用されるの?条件や申請方法、注意点も紹介」をご覧ください。
ポイント3.外壁補修の足場費用を抑える
外壁補修にかかる費用は、補修に必要な材料費だけではなく、人件費にもあてられます。
実際に、外壁補修の足場代は、全体費用の約30%を占めているといわれています。
補修に足場が必要になると足場を組む作業員と時間が必要になるため、費用がかさんでしまうためです。
最近では、高所でも足場の設置が不要な「ロープアクセス工法」が注目を集めています。
ロープアクセス工法は、複雑な形状の建物にも対応できる柔軟性の高さと、低コスト化の両立を実現。
詳しくは「ロープアクセス工法(無足場工法)とは?メリット・デメリットを解説」で解説していますので、あわせてご覧ください。
適切な外壁補修業者を選ぶ3つのコツとは?
外壁補修業者は、大手から個人営業までと様々で、どこがいいのか迷っている人もいるでしょう。
この章では、外壁補修業者選びのコツを解説します。
コツ1.有資格者がいる外壁補修業者を選ぶ
外壁を適切な方法で補修するには、専門知識が必須です。
そのため、外壁劣化診断士・住宅診断士・雨漏り診断士などの有資格者がいる業者を選ぶのがおすすめ。
資格の種類によって、業者が得意としている施工も分かるため、より適した施工に期待できます。
有資格者がいるかどうかは、ホームページに掲載している業者がほとんどです。
ホームページで確認できなければ、お問い合わせフォームや電話で問い合わせるといいでしょう。
コツ2.実績豊富な外壁補修業者にする
適切な補修業者かどうかは、補修業者の過去の実績を見るのがおすすめです。
たとえば過去の実績数が多い補修業者であれば、確実性や信頼性が高いと判断できます。
自宅に似た建物の外壁を手掛けている場合も、信頼できるポイントになるでしょう。
最近では多くの補修業者がホームページやSNSを開設し、実績を公開しているため、契約前にぜひチェックしてみてください。
コツ3.保証内容が充実している外壁補修業者を選ぶ
外壁補修は、施工後のトラブル発生リスク考え、補償が充実した補修業者を選ぶべきです。
補償内容は業者によっても異なりますが、施工後数年間は無料でアフターフォローしてくれる業者がほとんどです。
複数の業者に問い合わせて、補償内容を比較するようにしましょう。
外壁補修の見積書を見分ける4つのチェックポイントとは?
適正価格が提示されているかを判断するために、補修業者の見積書を比較するのは大切です。
しかし、見積書には見慣れない言葉が多く、判断できないことも。
この章では、外壁補修の見積書の内容が適正かを判断するためのポイントを解説します。
チェックポイント1.外壁補修に使う塗料の詳細
塗料を使う外壁補修では、多くの塗料を消費します。
そして、使用する塗料によっては、材料費だけで高額になってしまうことも。
塗料のメーカーや種類は必ず確認し、見積書に記載がない場合は作成しなおしてもらいましょう。
チェックポイント2.外壁補修工事費用の詳細
工事費用は、見積書への記載が省略されている場合があるため注意が必要です。
外壁補修に必要な工事費用は以下の通りです。
- 足場設置費用
- 高圧洗浄費用
- 養生費用
- 下地処理費用
- 下塗り費用
- 中塗り費用
- 上塗り費用
- 廃棄物処理費用
記載を省略している場合は「塗装作業費用一式」といったように記載されるケースがほとんど。
工事費用が不透明な見積書は、不適正な価格を請求される可能性が高いため、必ず詳細を記載してもらいましょう。
チェックポイント3.外壁補修の面積
外壁補修は1㎡(コーキング・シーリングは長さ)ごとに価格が設定されています。
そのため、見積書に面積が記載されていない場合は、法外な修理費用を請求されるリスクがあります。
外壁補修の面積が見積書に記載されていないときは、他の業者を検討するか見積書の再作成を依頼しましょう。
チェックポイント4.外壁塗装の回数
外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りと、合計で3回塗り重ねるのが基本です。
「下塗り・上塗り×2」と見積書に記載される場合があるかもしれませんが、工事内容は同じです。
また下地のダメージが大きければ、4回塗り重ねるケースもあります。
中には「2回塗りが正解」という塗料もありますが、3回塗り重ねの記載がない場合は業者に確認すると安心です。
定期的な外壁補修は適正価格の業者に依頼すべき
この記事では、外壁補修の費用の目安や補修業者選びのポイントをお伝えしました。
建物の外壁は、断熱性能や機密性能を高める効果もあります。
そのため、外壁の定期的なメンテナンスは、省エネにもつながります。
適正価格の信頼できる補修業者を選び、快適な生活空間を維持しましょう。
なお、当メディアを運営する株式会社ギアミクスでは、ロープアクセス工法による外壁補修・外壁調査サービスを提供しております。
低コストで満足度の高いサービスを提供致しますので、外壁補修でお困りの際は、ぜひご相談ください。