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外壁のひび割れ補修におすすめのパテとは?業者に依頼すべきかも解説

外壁のひび割れ補修におすすめのパテとは?

外壁のひび割れは経年劣化によって生じますが、そのまま放置している方も多いのではないでしょうか?

ひび割れによって、今すぐ建物が崩壊することはありませんが、雨水の侵入による被害を受ける可能性もあります。

本記事では、外壁のひび割れの基礎知識と一緒におすすめのパテを紹介します。

外壁補修を、DIYすべきか業者に依頼すべきかを判断するポイントも参考になさってください。

ひび割れにより補修が必要な外壁

経年劣化によって、外壁や目地のコーキング材にひび割れが生じる場合があります。

ひび割れをそのまま放置していると、建物の耐久性を下げたり、見た目を悪くしたりするため素早い対応が必要です。

そこで、ひび割れにより補修が必要になる部分を把握しておきましょう。

なお、外壁補修のタイミングは「外壁補修とは?工事の種類やタイミングをわかりやすく解説」に掲載しています。

1.戸建ての外壁に多い「サイディング」

サイディングは、戸建て住宅の外壁材としてよく使用されています。

板状のサイディング材の四隅を専用のビスで固定し、外壁に張り付けられるのが一般的です。

外壁のサイディングで起こりやすいのは、固定ビスの周辺から生じるひび割れ

サイディングが経年とともに変形し、ビスで固定した部分に負担がかかるのです。

ひび割れ防止のひとつが、サイディングを塗装する際に弾性塗料を用いる方法です。

ただし、サイディングは熱を持ちやすく、弾性塗料が伸縮し膨らみがやすいため、補修する際は専門業者へ依頼する必要があります。

なお、サイディングの外壁は「外壁補修の目的とは?作業方法や壁の種類、注意点を解説」でより詳しく解説しています。

2.経年劣化・自然災害でひび割れ発生「コンクリート」

外壁のコンクリートには一定の暑さがあり、内部には鉄筋が入っているため比較的ひび割れしにくい素材といえます。

とはいえ、経年劣化や自然災害でコンクリートにひびが生じる場合もあるでしょう。

コンクリートのひび割れを防止するには、誘発目地(ひび割れを計画的に生じさせる目地)を設ける方法が有効です。

コンクリートは、打設時に空気抜きが不十分だった場合、細かな穴が生じることも。

基本的には躯体にダメージを与える心配はありませんが、不安を感じた人は業者に確認してもってください。

3.外壁の下部分に使う「モルタル」

外壁のモルタルは、巾木(はばき)や腹壁部分といった外壁の下部分に多用される素材で、塗り厚は20~30㎜ほどです。

塗り厚が薄いモルタルは乾燥によって収縮しやすいのが特徴。

内部に鉄筋がなく強度が低いため、ひび割れしやすい素材のひとつです。

モルタルのひび割れ防止策としては、目地を適切な箇所に入れたり、モルタル専用のひび割れ防止剤を使用したりするのが有効です。

4.外壁材をつなぐ「目地のコーキング材」

外壁以外にひび割れが生じやすいのが、目地に使用しているコーキング材です。

乾燥収縮や地震によって、ひび割れが生じます。

目地のコーキング材は、サイディングボードをはじめとした外壁材の歪みによってひび割れが生じるケースもあります。

ひび割れの対処法は、劣化したコーキング剤をはがして再注入するのが一般的です。

外壁補修に多い4つのひび割れとは?

コンクリートやモルタルなどの外壁に生じるひび割れ(クラック)は、ひび割れの大きさや原因によって以下の4種類にわかれます。

  1. 構造クラック
  2. 乾燥クラック
  3. 縁切れクラック
  4. ヘアークラック

外壁補修を失敗しないためにも、ひび割れの種類を把握しておきましょう。

ひび割れ1.外壁ダメージが深刻「構造クラック」

構造クラックは幅が0.3mm以上のひび割れを指し、構造クラックが発生している建物はコンクリートやモルタル下地の安全性に問題がある可能性があります。

構造クラックが発生する主な原因は、以下の2つです。

  • コンクリートやモルタル外壁の打設・養生時の温度管理に不具合があった
  • 鉄筋のかぶり厚さ(鉄筋からコンクリート表面までの最短距離)が不足している

建設時の品質管理不足や、地震や不同沈下(家の片方だけ沈む現象)による建物の傾きなどが構造クラックが生じる要因となります。

構造クラックは外壁が崩れる恐れのある深刻な状態ですので、早急に業者に見てもらいましょう。

業者選びのポイントは「外壁修理の費用はどれくらい?修理が必要な状態や業者選びのポイントを紹介」をご覧ください。

ひび割れ2.外壁の乾燥収縮が原因「乾燥クラック」

乾燥クラックは、砂・水・セメントなどで構成している下地コンクリートやモルタル壁の乾燥収縮によって起こるひび割れです。

下記が、乾燥クラックが発生する原因です。

  • コンクリートやモルタルの打設直後に起こった温度変化による乾燥収縮
  • 雨による浸水と自然乾燥の繰り返し

なお、乾燥クラックは庇(ひさし)で予防できます。

ひび割れリスクがゼロにはなりませんが、紫外線ダメージを緩和できて外壁が長持ちします。

乾燥クラックの場合、幅が0.3mm以下であれば構造上の問題はありません。

しかし、ひび割れが大きい場合や発生している数が多い場合には、専門業者へ相談してみてください。

ひび割れ3.外壁塗装のつなぎ目に発生「縁切れクラック」

縁切れクラックは、外壁塗装のつなぎ目部分に発生するひび割れです。

外壁塗装は一般的に、一定の範囲を塗り切りしながら作業を進めます。

しかし外壁の面積が大きい場合は、日をまたいで作業するため、必然的に塗装のつなぎ目が生じます。

そのつなぎ目部分に発生するひび割れが、縁切れクラックです。

技術力がある施行業者であれば、つなぎ目の発生を考慮して塗装範囲を計画するため、縁切れクラックを最小限に抑えられるでしょう。

縁切れクラックは施行技術者の技術力不足が原因で発生することも。

塗装範囲に対する認識の甘さから、塗装のつなぎ目が生じて縁切れクラックが発生するのです。

ひび割れ4.外壁の景観を損ねる「ヘアークラック」

ヘアークラックとは、幅が0.3mm以下のひび割れです。

名前の通り、髪の毛ほどの細いひび割れのため、建物の安全性に問題はありません。

外壁のひび割れをパテで補修する3つの必要性

外壁に生じたひび割れは、すぐに建物が崩壊するような大きな劣化症状ではないため、放置されがちです。

しかし、外壁のひび割れを補修せず放置していると、建物の美観を損なうだけでなく、雨水の侵入により外壁内部が腐食する可能性があります。

さらに、カビの発生による身体へ悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

ひび割れをパテで補修する3つの必要性について解説します。

必要性1.雨水により外壁内が腐食する

外壁のひび割れを放置していると、雨水の侵入により外壁内が腐食し、外壁や屋根などの表面だけでなく、建物の構造体にまで影響を及ぼす可能性があります。

一度建物の構造体が腐食すると、外壁塗装のような表面補修だけでは対処できません。

柱・梁(はり)の接合部などが腐食し、周辺範囲の構造体も一緒に修繕する必要が生じます。

構造体の腐食は、シロアリなどの被害を広げる可能性もあり、場合によっては修理に多大な費用がかかることも。

ひび割れが原因となった雨漏りは、天井裏や壁内部の電気配線の漏電につながる危険性もあるため、素早い対応が必要です。

必要性2.建物の外観を美しく保つ

外壁のひび割れを放置すると、建物の美観を損なう原因となります。

美観を損ねても、見た目の問題は気にしない方もなかにはいるかもしれません。

しかし、構造上の影響が少ないヘアークラックでも、地震や強風などの振動でひび割れが広がる可能性があります。

上記のようなケースでは、気付かないうちに雨水の侵入を許し、ダメージが深刻化することも。

建物の快適性を保つためにも、小さいひび割れも早めに補修した方が安全です。

必要性3.カビの発生で健康に悪影響を及ぼす

外壁のひび割れから雨水が侵入すると、外壁内部に湿気が伝わりやすくなるため、天井裏や壁内部など通気性が悪い箇所にカビが発生します。

その結果、カビの繁殖が室内にまで及ぶ場合もあるでしょう。

カビが発生すると、住人の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、カビの見た目から心理的な悪影響も受ける可能性もあります。

天井のカビは部屋全体にカビが拡散する原因です。

カビが発生したときは、なるべく早く除去しましょう。

なお、天井カビの危険性や除去方法は「天井のカビ取りで大量発生を防止!除去できない時の対処法も紹介」をご覧ください。

外壁のひび割れ補修におすすめのパテ3選

外壁補修が初めてでも、入手しやすく使いやすいパテを紹介します。

外壁補修をDIYするときにお役立てください。

外壁補修用パテ1.手で作業できる「サンホーム 外壁用パテ」

画像引用:サンホーム公式サイト

サンホームの外壁用パテ(赤枠内)は、物によくつき手につきにくいパテです。

使わないときも、フックにかけて保管できる便利さがある上に、素手で塗り込める手軽さが魅力。

手でもむと柔らかくなり、保管中に固まって使えなくなるリスクがありません。

ただし、サンホームの外壁用パテは塗装できない点に注意してください。

外壁補修用パテ2.ヘラ付きで便利「アサヒペン 外部用パテ」

画像引用:アサヒペン公式サイト

アサヒペンの外部用パテは、補修後に塗装したい人向けのパテです。

厚塗りできて、水性・油性塗料で塗装できます。

ヘラがついていて、パテを塗った後に平らにしやすいのもポイント。

外壁補修用のツールを購入せずに済み、保管場所を新たに確保する必要がありません。

塗装するときは、#180程度のサンドペーパーをかけてから塗るのがおすすめです。

サンドペーパーで削ることで、塗料の乗りがよくなります。

外壁補修用パテ3.即硬化で効率抜群「セメダイン ひび割れシール 外壁」

画像引用:セメダイン公式サイト

セメダインのひび割れシール 外壁は、コンクリートカラーで補修跡が目立たないパテです。

付属のノズルをチューブにセットし、補修部分に押し込むように充てんします。

ひびが深い場合は、別途ヘラを購入して仕上げると、より高い補修効果に期待可能。

塗装の種類によっては、パテがはじかれてしまう場合があるため、補修前に目立たない場所でテストしておきましょう。

外壁補修をDIYする前に、2つの注意点とは?

ひび割れの外壁補修は、使用するパテや施行者の技術が非常に重要です

専門業者が高所の外壁を補修する場合は、足場を立てますが、それは足場の有無で仕上がりが大きく変わりるため。

高所の外壁補修は想像以上に体力を消費するうえに、危険をともなうため専門業者へ依頼した方が安心・安全です。

それでは、外壁補修DIYの2つの注意点を解説します。

注意点1.外壁の補修費用が高くなる可能性がある

「ひび割れ程度なら自分で補修できそう」と思っても、外壁補修は想像以上に大変です。

外壁補修を失敗し専門業者へ依頼した結果、余計に費用がかかったというケースも

専門業者が使用しているパテは、お店で手に入らない場合がほとんどです。

そのため、DIY後数か月で不具合が生じ、専門業者へ依頼すると、DIYで塗布したパテを除去する作業からスタートとなります。

結果的に業者の工数が増え、余計に費用がかかってしまう可能性があるでしょう。

DIYは補修費用が増えてしまうリスクもあるため、不安な場合は専門業者に依頼するのが妥当です。

外壁補修の相場は「外壁補修の費用はいくらかかる?騙されないための適切な相場を解説!」をご覧ください。

注意点2.パテと外壁の相性を確認

どんなに高性能なパテでも、外壁にあった製品や用法を知らなければ効果は発揮できないでしょう。

そして、インターネット上で高評価のパテでも、外壁と相性が悪いことがあるのも事実。

外壁補修の知識・経験がないことも考慮すると、安易に市販のパテを購入するのはハイリスクです。

一方で、専門業者は高度な知識と豊富な経験をもとに仕事をしています。

そのため、外壁と相性がいいパテの選別も安心して任せられます。

なお、塗装リフォームを行わず、ひび割れ補修のみであれば専門業者へ依頼しても費用は数万円程度です。

別途で費用はかかるものの、外壁補修による補修跡も消すことができます。

大型建築物の外壁補修はパテでDIYしてはいけない

この記事では、外壁補修でパテを使用する箇所や、DIYの注意点を解説しました。

外壁にひび割れが生じた場合、放置すると建物の構造体まで腐食する可能性もあります。

建物の構造体の修理は高額になりやすく、これを防ぐには素早い対処が必要です。

ただし、高層ビルのような大型建築物はDIYで対応してはいけません。

安全上の理由から、定期的な外壁調査や補修が法律で定められているためです。

当メディアを運営する株式会社ギアミクスは、ロープアクセス工法を用いた外壁調査・修理を事業とした企業です。

ロープアクセス工法は、足場の設置が不要で低コスト、かつスピーディなのが特徴。

複雑な形状をした建物にも柔軟に対応できますので、大型建築物の外壁でお悩みの際はぜひご相談ください。