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屋外広告物の点検費用はいくら?目安・基礎知識・注意点を解説

屋外広告物の点検費用はいくら?目安・基礎知識・注意点を解説

一定以上のサイズがある屋外広告物は、定期的な安全点検が義務付けられています。

なぜなら、屋外広告物は紫外線や風雨によって経年劣化が進行し、落下事故につながるリスクがあるためです。

本記事では、屋外広告物の基礎知識と点検費用を解説します。

点検の注意点や業者選びのポイントも、あわせてご覧ください。

【基礎知識】屋外広告物とは?

屋外広告物は、以下のように定義されています。

「屋外広告物」とは、常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであつて、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう。

引用元:屋外広告物法

営利・非営利を問わず、看板・広告・立て看板などは屋外広告物として指定されています。

さらに、屋外広告物には文字・写真・シンボルマーク・イラストなども含まれる点に注意。

屋外にあり、不特定多数に向けた広告は屋外広告物として認知しておきましょう。

1.高さ4m以上の屋外広告物は定期点検が義務

屋外広告物の定期点検が義務化されたきっかけは、2015年2月15日に北海道で発生した落下事故です。

札幌市のビルに設置した看板が歩行中の女性に落下し、業務上過失傷害事件に発展しました。(参考:裁判所 裁判例結果詳細

その後、各自治体が屋外広告物の点検義務化の推進を開始しています。

点検義務がある屋外広告物の条件は「高さが4mを超える屋外広告物」という共通点があるものの、点検周期をはじめとした詳細が異なります。

たとえば、神奈川県では3年周期なのに対して、広島県尾道市では初回6年・2回目以降3年周期です。

屋外広告物の定期点検の条件・周期を確認しながら、安全な看板運営に努めましょう。

2.屋外広告物の点検基準は自治体が定める

屋外広告物は、設置時に各自治体に登録申請を実施して管理する仕組みです。

また、国土交通省が発表した「屋外広告物の安全点検に関する指針(案)」によると、法律よる点検義務は明確ではなく、各自治体に委ねている部分がほとんどです。

そのため、屋外広告物の点検基準や報告様式は自治体によって違います。

点検基準の根底にあるのは、一般社団法人 日本屋外広告業団体連合会公益社団法人 日本サイン境界などが発表した「屋外広告物点検基準(案)」です。

しかし、自治体によって詳細が異なるため、不安な場合は問い合わせてみましょう。

3.屋外広告物の点検には有資格者が必要

屋外広告物の点検を実施できるのは、屋外広告士・特殊電気工事などの有資格者のみです。

ただし、屋外広告物の点検を実施できる有資格者は、下記の例のように自治体によって異なります。

  • 大阪府:屋外広告士・特殊電気工事資格者(ネオン工事に係るものに限る)・点検技能講習修了者
  • 秋田県:屋外広告士(登録試験機関合格者)・建築士・点検技能講習修了者

特に注意が必要なのは、同じ資格であっても、試験機関が指定されている場合があること。

確認せずに屋外点検物の点検を実施した場合は、有資格者とみなされずに無効となる可能性があるため気を付けてください。

屋外広告物の点検費用の目安

屋外広告物は、基本的な料金に必要経費を合算した価格が点検費用となります。

まずは、屋外広告物点検の基本料金の目安です。

  • 小型看板:10,000円~
  • 大型看板:30,000円~

続いて、屋外広告物点検に付随する費用の目安です。

  • 道路使用許可(公道上で作業する際に必要):15,000円~
  • 交通誘導員(公道上で作業する際に必要):15,000円~
  • 高所作業車(ブームの長さで料金が異なる):30,000~50,000円
  • 点検報告書作成:10,000~15,000円

さらに、夜間の点検となる場合は、業者が提示する夜間料金が発生します。

屋外広告物のおもな点検箇所

画像引用:オーナーさんのための看板の安全管理ガイドブック

屋外広告物の点検箇所は、照明装置の有無や取付・支持部の形状や素材によって異なります。

点検前に業者と確認し、抜け・漏れのないよう気を付けましょう。

屋外広告物のおもな点検箇所は以下の通りです。

◇基礎部・上部構造

  • 上部構造全体の傾斜、ぐらつき
  • 基礎のクラック、支柱と根巻きとのすき間、支柱のぐらつき
  • 鉄骨のさび発生、塗装の老朽化

◇支持部

  • 鉄骨接合部(溶接部・プレート)の腐食、変形、すき間
  • 鉄骨接合部(ボルト・ナット・ビス)のゆるみ、欠落

◇取付部

  • アンカーボルト
  • 取付部プレートの腐食、変形
  • 溶接部の劣化、コーキングの劣化等
  • 取付対象部(柱・壁・スラブ)
  • 取付部周辺の異常

◇広告版

  • 表示面板
  • 切り文字等の腐食、破損、変形、ビス等の欠落
  • 側板、表示面板押さえの腐食、破損、ねじれ、変形、欠損
  • 広告板底部の腐食、水抜き孔の詰まり

◇照明装置

  • 照明装置の不点灯、不発光
  • 照明装置の取付部の破損、変形、さび、漏水
  • 周辺機器の劣化、破損

◇その他

  • 付属部品の腐食、破損
  • 避雷針の腐食
  • 損傷

なお、上記は国土交通省が発表した「屋外広告物の安全点検に関する指針(案)」を引用しています。

屋外広告物の安全点検に関する指針(案)には、点検箇所や劣化が発生しやすい箇所の写真が掲載されているため、目を通しておきましょう。

屋外広告物点検の2つの注意点

屋外広告物の定期点検は、人的被害を防止する上で重要性の高いものです。

屋外広告物に関連した事故が発生した際には、企業の社会的な信頼を損ねる可能性もあります。

本章では、屋外広告物点検で注意すべき2点を解説します。

注意点1.屋外広告物点検を怠ると罰則

屋外広告物点検を怠った場合は罰金や罰則を科せられる場合があります。

実際に、鳥取県では下記のような罰則を設けています。

一定規模以上の広告物は、落下等が重大事故となるおそれがあるため、資格者による点検を義務付けています。なお、点検を行わず、市町村の指導や命令に従わない場合、50万円以下の罰金が課せられることがあります。

引用元:鳥取県「屋外広告物の安全点検義務について」

さらに、事故が発生した場合には、前述した北海道の事故のように損害賠償金が発生します。

屋外広告物の定期点検は、金銭的な負担を減らすのが目的ではありません。

しかし、点検を怠った場合は、甚大な被害が発生するとともに金銭的な負担が増えるのは明白。

屋外広告物の点検コストは高額ですが、必ず実施しましょう。

注意点2.社会的信頼獲得に屋外広告物が関連

いかに高質な製品・サービスを提供していても、屋外広告物の落下事故が発生すると、社会的な信頼を損ねてしまいます。

「屋外広告物の安全維持を周囲の環境保持につなげる」という取り組みは、ユーザーから賞賛されるようなことはないかもしれません。

しかし、周囲の環境・安全の保持は、社会的信頼獲得やブランディングには必須です。

事故の心配がない「安全な環境」を維持するために、屋外広告物の定期点検は必ず実施してください。

屋外広告物点検業者を選ぶときの2つのポイント

屋外広告物の点検を依頼する業者選びは、適正な点検が実施されなかったり、法外な価格を要求されたりといったトラブルを防止するためにも重要度の高い要素です。

しかし、中には「どんなポイントに気を付けるべきかがわからない」といった声も。

本章では、屋外広告物の点検業者選びの2つのポイントを解説します。

ポイント1.複数業者を比較

複数の屋外広告物点検業者に問い合わせることで、対応の良し悪しを比較できます。

メールで問い合わせる際は、文面のほかに返信のスピード感を確認しましょう。

メールの文面が丁寧かつ迅速な返信ができていれば「顧客を大切にしよう」という業者の姿勢が伺えます。

業者がプレゼンを実施する場合は、業者が提供する技術の弱点を確認してください。

業者が技術の弱点を把握しており、カバーする方法を熟知していれば安心して屋外広告物点検を依頼できます。

ポイント2.屋外広告物点検の見積書を確認

複数の屋外広告物点検業者を比較する際に、見積書は大きな判断材料です。

なぜなら、見積書を比較するうちに自社の看板の点検費用目安を把握できるためです。

屋外広告物は、サイズや設置環境によって点検費用が異なります。

そのため、自社の屋外広告物点検にかかる費用の目安は、複数の見積書を比較するのが最も確実。

見積書は、屋外広告物が適正に点検されるかどうかを見極めたいときにも活用できます。

仮に、見積書に「点検作業一式」といったように詳細を提示しない業者がいたとしましょう。

詳細を提示していなければ、業者の不正を見抜くのは困難なため、不適切な点検が実施されても不思議ではありません。

屋外広告物の点検は、適正価格で点検内容の詳細を見積書に記載している業者に依頼すると安心です。

ポイント3.コストパフォーマンスをチェック

高所作業車が届かない位置に屋外広告物がある場合は、無足場工法に対応している業者を選ぶのがおすすめです。

高所作業車が届かない位置の屋外広告物は、点検前に足場を設置するのが一般的な一方で、足場の設置費用は高額。

しかし、無足場工法であれば足場の設置・撤去費用が不要となるため、より高いコストパフォーマンスを発揮します。

無足場工法の中でも、近年注目を集めているのが「ロープアクセス工法」です。

ロープアクセス工法とは、レスキュー部隊でも採用されているロープ技術を応用した工法であり、安全性と柔軟性をあわせ持つ工法です。

なお、ロープアクセス工法の詳細は「無足場工法とは?足場を組まない工法のメリット・デメリットを紹介」でも解説しています。

安心・安全な屋外広告物点検業者をお探しの方へ

本記事では、屋外広告物の基礎や点検費用の目安などを解説しました。

屋外広告物の点検は義務化によって、ほとんどの看板が安全に運用されています。

その一方で、高所や難所に設置された屋外広告物の点検で悩むケースも散見されます。

当メディアを運営する株式会社ギアミクスでは、ロープアクセス工法を駆使した看板点検を実施しております。

高所・難所にも対応しておりますので、屋外広告物点検でお悩みの際は、ぜひご相談ください。