高い場所で働く仕事には、ロープアクセス作業者やとび職、ビル清掃など、さまざまな種類があります。
高所作業に興味がある方の中には、「どのような仕事があるのか」「自分に向いているのか」と気になる方もいるでしょう。
本記事では、高い場所で働く主な仕事や未経験から転職した方の事例、向いている人の特徴、必要な資格、会社選びのポイントを紹介します。
高所作業を伴う仕事への就職・転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
高い場所で働く主な仕事
高い場所で働く仕事には、建築工事や建物の清掃・メンテナンス、電気設備の工事、樹木管理など幅広い仕事があります。
以下では、それぞれの仕事内容や目指す魅力、目指し方、年収などを紹介します。
とび職
とび職は、建設現場で足場などの仮設構造物の組立て・解体や、鉄骨の組立て、重量物の運搬を行う仕事です。
建築とびや組立とび、鉄骨とび、機械とびなどに分かれ、住宅やビルだけでなく、橋梁、高速道路、ダムなど幅広い現場で活躍します。
さまざまな建設現場を経験しながら、足場や鉄骨の組み立てなど幅広い技術を身につけられる点が魅力です。
基本的に複数人で合図や声かけをしながら作業を進めるため、チームワークを大切にする方に向いています。
就職時に特定の学歴や資格は求められないため、未経験から目指すことも可能です。
一般的には見習いとして働きながら経験を積み、担当する作業に応じた作業主任者などの資格取得を目指します。
年収は平均で414.5万円※で、工期に合わせて働くため、残業や休日・夜間勤務が発生することもあります。
※参照:とび|job tag
ビルの外壁清掃員
ビルの外壁清掃員は、オフィスビルや商業施設、病院など、建物の外壁を清掃する仕事です。
大きく以下2種類の仕事に分けられます。
- 屋外清掃:外壁、窓ガラス、屋上、玄関など、ビルの外側を清掃
- 室内清掃:床、壁・天井、ドア・ガラス、照明器具、吸排気口、トイレ、湯沸かし室などを清掃
屋外清掃では高い場所にある外壁を清掃する場合もあり、就職先によっては高所での作業を伴うことがあります。
きれいになった成果を目で確認でき、達成感を得られる点が魅力の一つです。
ビル清掃員になるために特定の学歴や資格は必要とされず、異業種転職先や主夫・主婦層の再就職先としても一定の需要があります。
また、ビル・建物清掃員の平均年収は297.4万円※で、パートタイマーも多く、勤務時間や雇用形態によって収入に差が出ます。
きれい好きで几帳面な方に適した仕事です。
※参照:ビル清掃|job tag
ラインマン(送電線作業員)
ラインマン(送電線作業員)は、鉄塔に登り、発電所でつくられた電気を各地へ送るための送電線を架設・点検・保守する仕事です。
鉄塔上での電線の延線・緊線や、碍子や付属品の取り付けを行います。
主に特別高圧架空送電線の新設・改修工事に携わり、鉄塔の高さは10m程度から100m以上のものまであります。
生活や産業で電気が使える当たり前を支える仕事であり、社会貢献や仕事に対する誇りを感じられることが魅力です。
就職時に特定の学歴や資格は不要で、未経験からは送電線架線工事の専門会社へ就職する方法が一般的です。
入社後は実際の作業を通じて数年間の訓練を受け、一般的には6年〜7年ほど経験を積むと、作業員をまとめる作業班長を任されるようになります。
危険性が高い専門作業を含むため、給与の平均は628.1万円(※1)と日本人全体の平均給与461万円(※2)に比べ高くなっています。
参照:(※1)送電線工事|job tag、(※2)1年を通じて勤務した給与所得者|国税庁
建築板金工
建築板金工は、銅や鉄などの薄い金属板を加工し、住宅や工場、倉庫などの屋根や外壁を施工する仕事です。
屋根は勾配があり足元が不安定なため、安全に配慮しながら正確に施工する技術が求められます。
加工した金属板が建物の屋根や外壁として形に残るため、ものづくりが好きな方に向いています。
就職時に特定の学歴や資格は求められず、建築板金工務店などで見習いとして働きながら一人前の職人を目指す方法があります。
職業訓練校で技能を学ぶ方法もあり、建築板金技能士や建築施工管理技士などの資格を取得し、独立開業を目指すことも可能です。
平均年収は454.2万円※で、屋根工事は工期や天候の影響を受けて労働時間が変動し、合わせて年収も変わることがあります。
※参照:建築板金|job tag
造園工
造園工は、日本庭園や公園、集合住宅の緑地などをつくる仕事です。
庭園を一からつくる仕事だけでなく、樹木の剪定や伐採、除草、芝刈りなどの維持管理を行う場合もあります。
大きな樹木を剪定・伐採する際は高所作業を含み、体力や平衡感覚が必要です。
庭や公園などを一から整え、何もなかった場所が形になっていく過程を楽しめる魅力があります。
景観が良くなることで、利用者や依頼主に喜んでもらえる点もやりがいの一つです。
また、造園工になるために、特定の学歴や資格は必要ありません。
造園会社へ就職するほか、高校や専門学校にて造園・園芸など関連する技術を学ぶ方法もあります。
平均年収は360.8万円※で、経験を積んだり、役職についたりすることで、700万円以上の高年収を狙うことも可能です。
植物や自然が好きな方はもちろん、庭園や公園など形に残る空間づくりに携わりたい方に向いています。
※参照:造園工|job tag
ロープアクセス作業者
ロープアクセス作業者は、専用のロープを使用して高所へ移動し、建物や構造物の点検・補修・清掃などを行う仕事です。
インフラ設備の点検やマンションの外壁調査、ひび割れの外壁補修、商業施設の外壁清掃など、就職する企業によってさまざまな現場を経験できます。
ロープアクセスは国際的に活用されている技術であるため、IRATA資格など国際資格を取得することで、グローバルなキャリアを獲得できる点も魅力です。
未経験から目指す場合は、ロープアクセス会社へ就職する方法が近道です。
未経験者向けに研修制度や資格取得制度を整えている会社もあるため、スムーズに必要な技術や知識を習得できます。
年収は一般的に300万〜400万円程度で、経験を積んだ作業者では700万〜1,000万円程度の高収入を目指せる場合もあります。
高い場所での作業に抵抗がなく、建物や社会インフラの安全を支える仕事に携わりたい方におすすめな仕事です。
ロープアクセス作業者の魅力については、以下の当社の社員が答えているインタビューをご覧ください。
https://en-gage.net/gearmix_career/?video_contents_id_sns=2869147#video_2869147
仕事内容やメリット・デメリット、向いている人を詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
ロープアクセスの仕事内容とは?技術・道具や年収、向いている人、目指し方を徹底解説!
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未経験からロープアクセス作業者へ転職した人の事例をチェック!
ここでは、アパレル販売など異業種からロープアクセス作業者に転職し、約1カ月の訓練を経て現場デビューし、わずか数年で課長に昇進した事例を紹介します。
この社員は、アパレル販売や保険営業、販売職などさまざまな仕事を経験したあと、ビルメンテナンス会社の事務員として働き始めます。
転機となったのは、初めてロープアクセス作業の現場を見たことでした。
高い場所でロープを使いながら外壁のサビ取り作業を見て「かっこいい」と感じ、ロープアクセス作業者への挑戦を決意します。
その後は、マンションを使った訓練を繰り返し、約1カ月後に現場デビューを果たします。
実際の高所では、強風でロープが揺れる怖さも経験しましたが、現場経験を積み重ねるうちに高い場所で働く仕事ならではのやりがいを感じるようになりました。
さらに、苦手意識を持っていた営業やリーダー業務にも挑戦し、2022年には正式に課長へ就任しています。
2025年には大阪・関西万博のパビリオン工事にも携わり、大手建設会社とのやり取りや大規模現場の管理まで担当するようになりました。
この社員のように、高い場所で働いた経験がなくても、入社後に訓練や現場経験を積み重ねることで、ロープアクセス作業者として活躍することが可能です。
ロープアクセス作業者は、未経験から高い場所で働く仕事へ挑戦したい方や、将来的にキャリアアップも目指したい方におすすめです。
本事例の詳細は、以下をご覧ください。
『ロープアクセス事業の継続を決めた』矢部由季奈(やべ・ゆきな) 株式会社ギアミクス
ロープアクセス作業者の生の声を知りたい方は、当社の女性社員が運用しているX(旧:Twitter)をチェックしてみてください。
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高い場所で働く仕事に向いている人の特徴
高い場所で働く仕事に向いている人には、高所への抵抗が少ない、集中力がある、体を動かすことが好き、という3つの特徴があります。
以下では、高い場所で働く仕事に向いている人の特徴を紹介します。
高い場所に抵抗がない
高い場所に抵抗がなく、落ち着いて行動できる場合は、高所作業に向いている方です。
例えば、ロープアクセス作業では、高層ビルの外壁や高い橋脚、ダムなど、地上から数十m以上離れた場所で作業することがあります。
また、ラインマンは高さ10mを超える鉄塔へ登り、作業を行う場合も珍しくありません。
高い場所に対して過剰に恐怖を感じると、周囲の状況や作業そのものに集中できず、けがにつながります。
ただし、高所への恐怖をまったく感じないことがよいわけではありません。
適度な緊張感を持って危険性を認識し、安全手順を守りながら冷静に行動できることが重要です。
集中力がある
高い場所で作業する仕事では、周囲の状況を確認しながら、作業そのものも正確に進める必要があるため、集中力が欠かせません。
例えば、ロープアクセス作業では、ロープや安全器具の状態を確認しつつ、外壁のひび割れなどの細かな異常を確認する必要があります。
また、ラインマンは鉄塔上で安全を確認しながら、送電線や碍子などの取り付けを正確に行える力が必要です。
そのため、複数の安全確認を続けつつ、目の前の作業へ集中できる方は高所作業に向いています。
体を動かすことが好き
高い場所で働く仕事の多くは、高所への移動や資材の運搬、設備の取り付けなどを伴うため、体を動かす場面が多くあります。
例えば、ロープアクセス作業では、ロープや専用器具を操作し、自分の身体を支えながら高所を上下左右に移動して、点検や補修などを行います。
また、とび職では、建設現場を移動しながら資材を扱い、足場や鉄骨の組み立てを行います。
高所で姿勢やバランスを保ちながら作業する場面もあり、全身を使って働く仕事です。
そのため、一日中デスクに座って仕事をするよりも、身体を動かしながら現場で働きたい方に適しています。
高い場所の仕事に求められる資格・免許の種類
高所作業では、仕事内容や設備に合わせて技能講習や特別教育の修了が必要です。
| 仕事 | 業務に応じて求められる主な資格・免許 |
|---|---|
| とび職 | 玉掛け技能講習:資材を掛け外しする玉掛け作業に必要 |
| ビルの外壁清掃員 | ゴンドラ取扱業務特別教育:ゴンドラを操作する業務に必要 |
| ラインマン | フルハーネス型墜落制止用器具特別教育:鉄塔上で作業を行う際、器具を使用するために必要 |
| 建築板金工 | フルハーネス型墜落制止用器具特別教育:屋根などの高所でフルハーネスを使用する作業に必要 |
| 造園工 | 小型移動式クレーン運転技能講習:樹木や庭石を移動する際に必要 |
| ロープアクセス作業者 | ・ロープ高所作業特別教育:高さ2m以上で作業床の設置が困難な場所において、ロープで身体を保持しながら作業する場合に必要
・IRATA資格:Level 1〜3に分かれ、経験を積みながら上位レベルを目指せる国際資格 |
仕事内容によって変わるため、就職前に求人票や企業サイトで確認しておきましょう。
高い場所で働く場合に重視したい会社選びのポイント
高い場所で働く仕事へ就職する際は、安全管理や教育体制、獲得できるキャリアまで確認することが重要です。
以下では、高い場所で働く場合に特に重視したい会社選びのポイントを紹介します。
安全管理を徹底しているか
高い場所で働く場合、墜落や転落などの事故を防ぐため、徹底した安全管理が不可欠です。
就職先を選ぶ際は、従業員任せにせず、会社全体で事故を防ぐための仕組みや安全管理体制を整えているかを確認することが重要です。
求人票や会社説明会では、以下を確認しましょう。
- 安全教育をどのように行っているか
- 作業前の安全確認を実施しているか
- 保護具や安全装備の用意は万全か
- 安全に関する研修や訓練を定期的に実施しているか
安全対策の内容を具体的に説明できる会社かどうかを確認し、自分が安心して働き続けられる会社を選びましょう。
研修や資格取得制度が整っているか
高い場所で働く仕事では、安全に作業するための知識や技術に加え、仕事内容に応じた資格・教育が必要です。
特に未経験から就職する場合は、基礎研修や資格取得支援制度が整っている会社を選ぶことで必要な技術をスムーズに身に付けられます。
就職先を探す際は、求人票や会社説明会、公式サイトにて以下を確認しましょう。
- 未経験者向けの研修や実技訓練が用意されているか
- 現場に出る前に十分な練習期間が設けられているか
- 業務に必要な資格・特別教育を会社負担で受けられるか
- 資格取得に必要な講習や試験の費用を補助してもらえるか
- 先輩社員から現場で指導を受けられる体制があるか
早期に活躍するためにも、研修や教育を通じて、資格取得や実践的な技術の習得を支援してもらえる会社を選びましょう。
キャリアアップが可能か
キャリアアップの可否は、昇進制度の有無や管理職への登用実績で判断できます。
長期的に働きたい場合は、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 経験年数やスキルに応じた昇進制度があるか
- 将来的に施工管理や現場責任者などの管理職ポジションを目指せるか
- 資格取得やスキル向上が給与・手当に反映されるか
- 若手や未経験者のキャリアアップ実績があるか
将来的に現場作業だけでなく、管理業務や後輩育成にも挑戦したい場合は、成長に応じて役割や待遇が広がる会社を選ぶことが大切です。
高い場所で働く仕事に関するよくある質問
最後に、高い場所で働く仕事に関するよくある質問を紹介します。
Q.高所作業の定義は何ですか?
A.高さ2m以上の場所で行う作業が一般的な基準とされています。
労働安全衛生規則第518条では、高さ2m以上の場所で作業を行い、墜落によって労働者に危険が及ぶ可能性がある場合、事業者に作業床の設置を求めています。
作業床を設けることが困難な場合は、防網を張ったり、墜落制止用器具を使用させたりなど、墜落を防止するための措置が必要です。
この定義によらず高い場所で働く仕事では、作業環境や仕事内容に応じた安全対策を徹底することが重要です。
参照:労働安全衛生規則|厚生労働省
Q.未経験からでも高い場所で働く仕事に就職できますか?
A.未経験者を募集している会社であれば、高所作業の経験がなくても、ほかの技術や適性が合えば就職できます。
企業によっては、入社後の研修や資格取得支援、先輩社員による実地指導など、未経験者を育成する体制を整えている場合もあります。
未経験から転職したい場合は、求人票や採用サイトなどで以下を確認しましょう。
- 未経験者向けの研修や実地訓練があるか
- 基礎から段階的に高所作業を学べるか
- 必要な資格や特別教育の取得を支援してもらえるか
- 先輩社員から指導を受けられる体制があるか
未経験者の採用実績があり、研修や資格取得支援などの育成体制が整っている会社であれば、スムーズに現場での仕事に慣れていけます。
Q.高い場所で働く仕事にはどんな事故のリスクがありますか?
A.高い場所で働く仕事では、墜落・転落のほか、工具や資材の落下、高所作業車の転倒などの事故が起こるリスクがあります。
厚生労働省の公表では、2025年の労働災害による死亡者700人のうち、186人が「墜落・転落」によるものでした※。
事故の型別ではもっとも多く、高い場所で働く際は墜落・転落への対策を特に重視する必要があることがわかります。
高い場所の仕事で起こり得る事故は、足場や屋根、はしごからの墜落だけではありません。
工具を落として地上の作業員にけがをさせる事故や、高所作業車・ゴンドラなどの設備を使用する際の事故にも注意が必要です。
就職先を選ぶ際は、作業ごとのリスクに応じた安全対策を会社として徹底しているかを確認することが重要です。
ロープアクセス作業者の危険性をチェックしておきたい方は、以下をご覧ください。
ロープアクセスは危険か?特徴や安全性、メリット・デメリットを解説
※参照:令和7年の労働災害発生状況を公表|厚生労働省
まとめ:高い場所の仕事に興味があるならロープアクセス作業者を目指そう
高い場所で働く仕事には、ロープアクセス作業者やとび職、ビルの外壁清掃員など、さまざまな選択肢があります。
高い場所が好きという理由だけで仕事を決めるのではなく、仕事内容や必要な資格、安全管理の体制、獲得できるキャリアなど総合的に考慮して選ぶことが大切です。
なかでもロープアクセス作業者は、インフラ点検やビル清掃、外壁補修など、幅広い現場で活躍できるスキルを手に入れたい方におすすめです。
未経験からでも実務経験や資格取得を重ねることで、リーダーや現場管理のポジションへキャリアを広げられます。
また、ロープアクセスを仕事にしたい方は、今『ギアミクス』で採用拡大中です。
- 基礎研修で、安全知識とロープの基本をマスター
- 先輩とチームを組み、現場で実践スキルを学ぶ
- 将来的には、現場をまとめるリーダーとして活躍
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