マンションの外壁は、種類によって特徴が異なり、メンテナンスの時期や適した塗料も違います。
そのため「どの外壁を選ぶべきかで悩んでいる」というマンションのオーナーも多いのではないでしょうか?
本記事では、マンションの外壁の種類と選び方を解説します。
マンションの外壁補修や再塗装の必要性もあわせてご覧ください。
目次
マンションの5種類の外壁とは?
マンションの外壁は、外観の印象を左右する大切な要素です。
まずはマンションの外壁の種類を把握して、どの外壁を選ぶべきかの見当をつけておきましょう。
本章では、マンションの5種類の外壁を解説します。
種類1.耐久性にすぐれる「タイル」
タイルは自然由来の素材を活用しており、紫外線に強く機能性とデザイン性を兼ね備えているのが特徴です。
タイルにはクリア塗装するのが一般的で、美観を維持しながら、タイルへの紫外線ダメージを減少できます。
タイルの点検・メンテナンスは10年に1度が目安です。
ただし、下地のモルタルや目地のコーキングが劣化すると、タイルの浮きやひび割れが生じることも。
モルタルやコーキングの劣化を確認できた場合は、周期を迎えていなくても点検・メンテナンスを検討すると安心です。
種類2.軽量かつ断熱性・耐火性が高い「ALC」
ALCは軽量で断熱性・耐火性にすぐれており、エネルギー効率が高いのが特徴です。
ALCには防水機能が備わっていないため、防水を目的とした塗装を施す必要があります。
またALCはパネルをつなぎ合わせるようにして施工するため、コーキングが欠かせません。
コーキングが劣化するスピードは、マンションがある環境によって異なりますが、下記のような症状が認められる場合は点検・メンテナンスを検討してください。
- コーキングにひび割れが生じている
- ALCパネルにひび割れ・はがれ・浮きが生じている
- 雨漏りしている
ALCは、表面にカビや藻が増殖しているのも保護機能低下のサイン。
ALCを選ぶ場合は、雨漏りリスクに留意しておくと良いでしょう。
種類3.デザイン性がある「モルタル」
モルタルとは、セメント・砂・水を混ぜて硬化させたものです。
耐久性・防水性・断熱性にすぐれており、仕上げ方によって美観が変わるためデザイン性の高さも兼ね備えているのが特徴。
モルタルに使用される塗料は、仕上げ方によって異なり、伸縮性のある弾性塗料や撥水性・防カビ性のある浸透性塗料が使用されます。
モルタルの外壁は、幅が0.3mm以上のクラック(ひび割れ)が生じた場合に点検・メンテナンスの見当が必要です。
メンテナンスの緊急度の高さやクラックの種類などは「外壁ひび割れ補修は今すぐ必要?原因やDIYの方法、費用相場も解説」をご覧ください。
種類4.初期費用が安い「窯業系サイディング」
窯業系サイディングは、セメントや繊維などを素材としており、耐火性が高く低コストで施工できるのが特徴です。
ただし、窯業系サイディングは浮き・ひび割れなどの劣化症状を引き起こしやすく、張替え工事が必要になるリスクがある点に要注意。
窯業系サイディングのメンテナンスは、基本的には再塗装で済みますが、深刻な劣化が確認できた場合は張替えが必要です。
マンションのような外壁の面積が大きい建物の場合は、張替えの必要性も考慮した上で検討しましょう。
なお、マンションの外壁塗装の内容・費用は「マンションの外壁塗装で知っておくべきこと!補修内容や費用を解説」をご覧ください。
種類5.モダンかつシンプルな印象「コンクリート打ち放し」
コンクリート打ち放しとは、外壁材を使わず、コンクリートがむき出しになっている外壁です。
耐久性・防火性にすぐれる反面、汚れやすいのがデメリット。
コンクリート打ち放しは、10年に1度を目安にクリア塗装を実施することで美観を保てます。
10年の周期を迎えていない場合でも、コンクリートの表面にひび割れやコケ・黒ずみ・カビなどが認められた場合は、早めにメンテナンスすると安心です。
なお、コンクリート打ち放しのひび割れはコーキングやパテで補修するのが一般的です。
外壁補修におすすめのパテは「外壁のひび割れ補修におすすめのパテとは?業者に依頼すべきかも解説」に掲載しています。
マンション外壁を選ぶ時の3つのポイントとは?
マンションの外壁を選ぶときは、どのようなポイントを重視するかが大切です。
本章では、マンションの外壁選びの3つのポイントを解説します。
ポイントを参考にしながら、どの外壁が適しているかの検討にお役立てください。
ポイント1.費用
マンションの外壁にかかる費用は、おもに下記の2つです。
- 初期費用(外壁の材料費・打設費用など)
- ランニングコスト(外壁の点検・メンテナンス費用)
たとえば、窯業系サイディングを選んだ場合は、初期費用を抑えられます。
一方で、劣化症状が進行したときは張替えが必要となるため、ランニングコストは高くつく可能性があります。
上記のように、初期費用とランニングコストの双方を算出・比較することが大切です。
ポイント2.性能
外壁の耐火性や耐久性、耐震性などの性能を比較するのも大切です。
その理由として、近年ではBCP対策を講じるのが一般的となっており、外壁材の性能が高ければ自然災害への備えとなるためです。
既存の外壁の性能が低い場合は、外壁補強工事の施工も可能ですが、後から手を加えるのは時間とコストがかかります。
したがって、検討している外壁はBCP対策として十分な性能があるのかを確認すると安心です。
なお、BCPの詳細は「BCPに発電機が必須な理由とは?基礎知識と非常用電源の種類を解説」をご覧ください。
ポイント3.デザイン性
外壁はマンションの外観の決め手となり得る要素です。
マンションの住居者が魅力を感じる外壁を選ぶことで、収益にも直接的な影響が出ます。
さらに、近年では景観法への配慮が必要な場合もあります。
景観法とは、地域の美しさ・環境・文化などの保護を目的とした法律で、指定された地域の建物はデザインが限定されることも。
外壁材のデザイン性の広さを確認し、入居者のニーズと景観法の双方を満たせるよう配慮しましょう。
マンションの外壁塗装・補修が必要な2つの理由
マンションの外壁には定期的なメンテナンスが欠かせません。
では、なぜマンションの外壁塗装・補修は必要なのでしょうか。
本章では、外壁塗装・補修が求められる理由を解説します。
理由1.マンション本体の長寿化
マンションの外壁塗装・補修により、マンションの建物自体の長寿化が可能です。
マンションの外壁は、日々の紫外線・雨・気温の変化・排気ガスなどの刺激に晒されダメージを受けています。
ダメージにより建物の劣化が進行すれば、雨漏りやマンションの構造部分が腐食し建物自体の寿命が縮まる可能性が懸念されます。
一方で外壁塗装・補修をすれば、劣化による建物のダメージを未然に防ぐことが可能です。
外壁塗装・補修によってマンションの性能をきちんと維持できるため、補修費用を抑えるメリットもある点も覚えておきましょう。
理由2.マンション外壁の美観保護
塗装・補修が必要なもう1つ理由は、マンションの外壁の美観を保護できるためです。
マンションの塗装面は、年数が経つと劣化や汚れが目立ちやすくなります。
劣化状態をそのまま放置すれば、外観が悪化し、今後の入居者数に影響を与えるかもしれません。
しかし、外壁塗装・補修により、劣化した塗装面を竣工時と同じ状態にまで近づけます。
マンションの賃貸経営なら、空室対策効果も期待できるでしょう。
マンションの外壁塗装・補修をするタイミング
マンションの外壁塗装・補修のタイミングを把握することで、キャッシュフローを適正化できます。
外壁塗装・補修のおおよその時期の把握により、唐突に補修費用が発生する事態を防止できるためです。
本章では、マンションの外壁塗装・補修をするタイミングを解説します。
タイミング1.劣化症状が確認できたとき
自分のマンションの劣化状況を見ることで、外壁塗装と補修をするタイミングがわかります。
以下のような劣化症状が見られたら、外壁塗装・補修が必要です。
- 外壁の浮きやひび割れ・欠損・剥落
- 塗膜のはがれ
- シーリングの割れ
- カビやコケ・サビの発生
- 水漏れ跡
- チョーキング(外壁を手で触ると白い粉が付着する現象)
ただし、見た目のみでは判断できない劣化もある点に要注意。
たとえば、タイルの下地の劣化は見た目だけでは判断できず、打診調査や赤外線調査が必要な場合もあります。
そのため見た目だけで判断せず、時には建物・設備診断の専門業者に相談するのもおすすめです。
外壁調査の方法は「外壁打診調査とは?調査対象や方法を詳しく解説」をご覧ください。
タイミング2.再塗装・補修の周期をむかえたとき
一般的に外壁塗装・補修に関するメンテナンスの目安は、以下の通りです。
- 塗装:11~18年目
- タイル張り補修:12~18年目
上記のほか、国土交通省は約12年に一度の大規模修繕を実施することを推奨しています。
前回の修繕から10年が経過しているときは、外壁塗装・補修に限らずマンションの修繕を検討しましょう。
マンションの建物・設備の点検は、特殊建築物定期調査(建築基準法)により、有資格者による「法定点検」の実施が義務付けられています。
3年に1回は、 マンションの敷地に地盤沈下や排水不良などがないか、基礎や外壁など建物の構造強度に問題はないかなどの調査が必要です。
入居者の安全性の確保や補修費用を抑えるためにも、専門業者による法的な点検とマンション管理組合による日頃の任意点検を欠かさずに実施しましょう。
マンション外壁塗装・補修工事の基礎知識
マンションの外壁塗装・補修の基礎知識として、期間・費用相場・業者の選び方が大切です。
本章では、マンション外壁塗装・補修の基礎知識を解説します。
1.期間
マンションの規模により、下記のように外壁補修の工期はさまざまです。
- 50戸以下の小規模のマンション:1〜3ヶ月程度
- 50戸以上のマンション:3〜6ヶ月以上
- タワーマンションのような大規模なマンション:6ヶ月〜1年以上
外壁塗装工事は30〜60日、防水工事は8〜10日程度かかると覚えておきましょう。
また、梅雨や台風の時期など悪天候が続くと施工が一時中断になる可能性もあるため、余裕を持った工期を組むことをおすすめします。
なお、外壁補修の工期は、使用されている外壁材によっても異なります。
具体的な期間は専門業者に確認してから住人や利用者に通知しましょう。
2.費用相場
外壁補修工事の費用は、マンションの規模・劣化状況・補修方法・使用する塗料の種類などにより変動します。
一概には言えないものの、おおよその外壁塗装・補修工事の目安は以下の通りです。
- 3階建て:130〜400万円前後
- 4階建て:340〜550万円
- 5階建て:480〜650万円前後です。
劣化症状がマンションの外壁の広範囲にわたるほど、補修工事費用は高くなるので注意しましょう。
近年では、足場設置が不要で低コストなことで、無足場工法が注目されています。
無足場工法のひとつ、ロープアクセス工法は「ロープアクセスで外壁や屋根塗装は可能?基礎・手順・費用などを解説」で解説しています。
3.業者の選び方
マンションは塗装する面積が広範囲のため、経験の浅い業者や戸建てばかりを扱っている業者では塗りムラをはじめとしたリスクが想定されます。
施工に後悔しないためにも、業者を選ぶときは、マンションの外壁塗装の実績を必ず確認しましょう。
施工実績が豊富な業者であれば、工期・施工の流れ・施工中に注意しておくべきことなどを把握しているため、安心できます。
施工実績は、業者のホームページやSNSなどで確認できます。
また施工中に、マンションのガラスに傷を付けられる、塗料がこぼれて車を汚してしまうなどの事故が起きる場合も。
万が一事故が起きてしまった場合、保険に加入していない業者を選ぶとマンション管理者側に損害賠償が請求されてしまいます。
したがって想定外の事故を考慮し、請負業者賠償責任保険に加入しているかどうかを確認するのがおすすめです。
業者の選び方をより詳しく知りたい人は「外壁調査の費用相場とは?おこなう理由や方法、業者選びのポイントを解説」をご覧ください。
マンション外壁塗装・補修工事の8つの工程
マンションの外壁塗装・補修工事は、おもに8つの工程で施工されます。
ただし、依頼先の業者によっては工程が異なる場合もあるため、確実な工程は確認しておくと安心です。
工程1.専門業者による現地調査
専門業者が現地を訪れ、外壁の状態を確認し、見積もりを作成する工程です。
具体的には、必要な作業を洗い出しや適した補修方法の確認などによって、適切な工事内容を提案します。
調査時間は30~60分ほどと比較的短時間で終わります。
工程2.マンション入居者・近隣住民への周知・挨拶
マンション入居者・近隣住民に対しては、補修工事の必要性に加えて、騒音や塗料の臭いが発生する可能性があることを説明します。
マンション入居者・近隣住民から不安の声が聞かれた際は、すぐに対応し、安心してもらえるよう説明を繰り返します。
工程3.足場の設置
足場は高所での作業に欠かせません。
戸建て住宅の場合、足場の設置にかかる期間は1~2日ですが、マンションの場合は設置する範囲によってさらに多くの期間がかかります。
工程4.外壁表面の高圧洗浄
補修が必要な個所の汚れを落とし、塗料やパテなどの乗りを良くする工程です。
高圧洗浄には、補修箇所が汚れで隠れてしまっている状態を改善する目的もあり、重要度の高い工程です。
工程5.外壁の下地処理
外壁は表面だけでなく、下地にダメージが蓄積されている場合もあります。
下地にダメージがある場合は、表面だけを補修しても建物の長寿化は困難なため、適切に補修します。
下地の補修は、部材によってパテやコーキングなどを使用して実施するのが一般的です。
工程6.下地処理部分の養生
補修が完了した下地部分は養生し、補修材が馴染んで固まるのを待ちます。
補修材がきちんと固まらないうちに次の作業を実施すると、十分な強度を保てないリスクがあります。
そのため、補修材が固まるまでの期間はきちんと養生することが大切です。
工程7.マンション外壁の補修・塗装
下地の処理が終了した後に、外壁の補修・塗装にかかります。
必要に応じて外壁材の交換・張替えを実施し、完了後に塗装します。
塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りを実施するのが基本です。
外壁の部材や状態によって、下塗りの回数が増えたり仕上げ塗装を実施する場合もあります。
工程8.足場の解体・撤去
外壁補修の工程が全て完了すると、足場を解体・撤去します。
足場の解体・撤去にかかる期間は、設置時と同様に規模によって異なるため、事前に確認すると良いでしょう。
マンションの外壁に使う5種類の塗装とは?
マンションの外壁工事を専門業者に依頼するときに、使用される塗料が適切なのかどうかを判断するのは大切です。
本章では、マンションの外壁塗装でよく使用される塗料ごとのメリット・デメリットとその耐用年数を解説します。
1.耐用年数7~15年「シリコン塗料」
シリコン塗料は耐用年数が7〜15年と長く、コストパフォーマンスにも優れているため、現在多くの住宅で用いられています。
メリット
- 耐久性・耐水性・耐汚染性のバランスに優れている
- 結露が発生しにくい
デメリット
- 弾性が低くひび割れしやすい
- 密着性が低い
シリコン塗料は、単体で塗装できる「1液型」と2種の塗料を混ぜて使う「2液型」があります。
耐用性やコストなどで差が生じるため、業者と相談しながら選んでください。
2.耐用年数12~20年「フッ素塗料」
フッ素塗料は耐用年数が12〜20年と非常に長く、外壁塗装の塗料のなかでも最も高級な種類といわれています。
一度塗装すれば外観の美観を長い間維持できるため、高層ビルや東京スカイツリーにも使用された高耐久グレードです。
メリット
- 親水性が高いためメンテナンスの手間が少ない
- 耐熱性・耐寒性・耐候性が高い
- 劣化に強い
デメリット
- 弾力性が低くひび割れが発生しやすい
- 塗膜が固く再塗装が困難
- 独特の光沢があり好き嫌いが分かれる
フッ素塗料は単価が高い反面、再塗装が必要となるまでの期間が長く、長期的に見るとコスパに優れます。
ただし、業者によっては取り扱っていない場合があるため、フッ素塗料を希望する旨をはじめに伝えると安心です。
3.耐用年数20~25年「無機塗料」
無機塗料は耐用年数は20〜25年とトップクラスの耐久性を誇る塗料です。
外壁の色褪せやチョーキング現象など劣化現象は、塗料の材料であるシリコンやウレタンなどの樹脂に含まれる有機物が原因です。
一方で無機塗料は、鉱物やガラスなどの炭素を含まない無機物を配合した塗料です。
無機物は紫外線で劣化しない性質のため、半永久的な耐久性といわれています。
メリット
- 長期間にわたり外壁の美観を保てる
- カビやコケの発生を抑制する
- 断熱・遮熱両方の機能を併せ持つ
デメリット
- 価格が高い
- 完全な艶消しができない
- 伸縮性が低く相性の悪い外壁材がある
無機塗料そのものの耐久性は高いですが「20~25年間はノーメンテナンスで良い」という訳ではない点に要注意。
外壁にはシーリングをはじめとした付帯部分があるため、長期間の完全なノーメンテナンスは現実的ではないと覚えておきましょう。
4.耐用年数10~20年「セラミック塗料」
セラミック塗料は、塗料に含まれるセラミック微粒子が塗膜の中で一体化して高い耐久性を発揮するのが特徴です。
外壁を天然石や砂岩にみせた石材調にデザインできるため、意匠性を持たせた塗料といえます。
メリット
- デザイン性が高い
- 汚れが付着しにくい
- 耐候性・断熱性・遮熱性に優れている
デメリット
- 初期コストが高い
- 熟練した職人の技術を要する
ただしセラミック塗料は、セラミックの配合量によって耐用年数や効果が異なる点に注意が必要です。
塗料に少量でもセラミックが含まれていれば「セラミック塗料」と呼ばれるため、事前に含有量をチェックすると安心です。
5.耐用年数8~16年「ラジカル塗料」
ラジカル塗料とは、塗料が粉状態になるチョーキングの原因となる因子を抑制し、高い耐久性を発揮する塗料です。
ほかの塗料と比較して低価格で、塗料としての性能が高いため近年では注目を集めています。
メリット
- チョーキング現象が起きにくい
- 防汚性・防カビ性に優れている
- さまざま下地を相性が良い
デメリット
- 最新塗料のため耐用年数の実績が定かではない
- 製品数が少ない
- ブラックやネイビーなど濃い色には効果が発揮できない
ラジカル塗料は、白色顔料を調色するために使用される素材が主原料です。
そのため、濃色を希望する場合は別の塗料を検討するのがおすすめです。
マンション外壁塗装・補修中の5つの注意点
マンションの外壁塗装・補修は、工事に付帯する注意点が存在します。
注意点への対策を講じていない場合には、想定外のトラブルの引き金になる可能性もあるため、把握と対策の策定に努めましょう。
マンションの外壁塗装・補修中の5つの注意点を解説します。
注意点1.外壁以外の補修工事も同時に実施
マンションの外壁塗装・補修を検討するときは、大規模修繕の時期と内容を考慮しましょう。
大規模修繕では、足場代をはじめとした費用削減のため、外壁塗装に加えてほかの補修工事も同時に行うのが一般的です。
大規模修繕工事の周期は10年〜12年が目安といわれています。
使用する外壁材や塗料によっては、大規模修繕の周期と合わない場合もあるでしょう。
しかし、マンションや周辺の住民への影響を考慮すると、複数の修繕を一度に実施することで与えるストレスが減るのは明らかです。
外壁塗装・補修工事は、大規模修繕工事を見据えた上で、準備・依頼を進めましょう。
注意点2.マンションのテナント・入居者・近隣に早めに伝達
マンションの外壁施工を計画した際は、テナントや入居者に早めに告知してください。
テナントや入居者対象の説明会の開催や、掲示板にお知らせを貼るなどの対策をしましょう。
早めに対応することで、「日当たりが悪く洗濯が干せない」「チリやホコリが舞って窓を開けることができない」などの苦情を事前に抑えられます。
同様に、近隣にも外装工事について事前にお知らせしましょう。
近隣へのお知らせを怠ると「高圧洗浄の水が飛散してきた」「路上に駐車した業者の車が通行の邪魔になっている」など苦情が発生する可能性もあります。
近隣との良好な関係を維持するためにも、遅くても着工前の1週間前後に施工業者と一緒に挨拶周りに行くのがおすすめです。
挨拶の際には、外壁工事の工期や時間帯を記載した書類を持参するのもポイントです。
紙媒体で通達することで、近隣住民は工事の内容を繰り返し確認でき、安心感や信頼感を獲得できます。
注意点3.騒音や臭いについて周知
外壁塗装の工程では、塗料の臭いが発生します。
外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本のため、想定できる臭いの発生期間は最低でも3~4日間ほど。
臭気の少ない塗料を使用するといった工夫をしても、塗料の臭いが入居者の所有物に付着するリスクは避けられません。
また、補修作業中の機械操作による騒音問題も懸念されます。
十分な告知期間を取り、テナントや入居者に施工に関して理解してもらうのが大切です。
注意点4.防犯対策の強化
マンションの外壁塗装・補修を実施するときは、防犯対策も忘れないようにしましょう。
工事に使用する足場を悪用し、夜間や休日を狙って窃盗犯が住居に侵入する場合もあるためです。
たとえば、以下のようなセキュリティ対策を取りましょう。
- 足場への入り口となる箇所を施錠する
- 足場にセンサータイプのライトを設置する
- 防犯カメラを設置する
また、多くの作業員が作業のため入居者の生活空間に立ち入る場面もあるため、プライバシーの面にもきちんと配慮しましょう。
マンションの外壁塗装・補修は建物の資産価値向上につながる
本記事では、マンションの外壁の種類や塗装・補修工事の必要性などを解説しました。
マンションの外壁選びは大切ですが、外壁材は時間の経過とともに劣化します。
外壁が劣化しては、雨漏りや構造物の腐食の原因になり、建造物の価値が大きく下がってしまいます。
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ロープアクセス工法は足場が不要で低コストなため、外壁塗装・補修を検討されている方は、ぜひ一度お問い合わせください。