雨漏りの原因を素早く特定できれば、迅速かつ的確な応急処置が可能です。
原因が特定できていれば、雨漏りの箇所をブルーシートやビニールシートで保護するまでの時間が短縮されて、二次被害の拡大防止につながります。
さらに、雨漏り修理業者に依頼する際もスムーズになるでしょう。
本記事では、雨漏りの原因や調査方法を解説します。
簡単にできる応急処置や雨漏り後に取るべき行動も、あわせてご覧ください。
目次
よくある雨漏りの原因5選
雨漏りと言えば、屋根が破損している様子をイメージする人が多いかもしれません。
しかし、雨漏りの原因はほかにもある上に、雨が降っていなくても発生する可能性があります。
本章では、5つの雨漏りの原因を解説します。
原因1.屋根の破損による雨漏り
屋根が破損する原因は、地震や台風などの外的要因と経年劣化です。
屋根は紫外線・風雨などのダメージを直接受けて、経年劣化が進行するとヒビ・破損につながるためです。
屋根の場合は、スレートや漆喰などが原因になることも。
屋根の破損を疑う際は、屋根の周囲にも気を配るのがポイントです。
瓦の場合は、ズレや欠けが雨漏りの原因と疑うと良いでしょう。
原因2.ベランダのひび割れから雨漏り
多くのベランダは、防水効果のある塗料で保護されているものの、紫外線・風雨などが直接当たるため、皮膜は10~12年で寿命を迎えます。
防水塗料の効果が薄れると、ベランダにひび割れが発生しやすくなり、結果的に雨漏りの原因となる訳です。
さらに、ベランダの排水溝が詰まっている場合は、雨漏りへの警戒を強めましょう。
ベランダの排水が不十分になるため、小さなひび割れでも雨漏りが発生しやすくなります。
原因3.サッシ枠・防水シートのすき間から雨漏り
窓のサッシ枠からの雨漏りは、シーリング材の劣化にともなって発生します。
外壁の表面を流れてきた雨水が、劣化したシーリング材のすき間から侵入するためです。
サッシ枠には、雨漏りを防ぐための防水シートも貼られているものの、経年劣化や施工不良などが原因で雨漏りが発生することもあります。
原因4.給排水管の破損で雨漏り
給排水管は、外壁と防水シートを貫通しているため、すき間が生じていると雨漏りの原因になります。
マンションやアパートでは、吸排水管の破損が原因で雨漏りが生じるケースにも要注意。
晴れていても雨漏りが発生した場合は、吸排水管が破損している可能性を疑いましょう。
原因5.天窓のコーキング劣化で雨漏り
天窓の周囲はコーキングされていますが、経年劣化によるひび割れが発生すると雨漏りの原因になります。
種類によって異なりますが、コーキングの寿命は10年を目安としておきましょう。
なお、天窓からの雨漏りは、外側のコーキングを打ち増すだけでは不足するケースがほとんどです。
外側と内側の両方に破損があってはじめて雨漏りが発生する、という場合がほとんどのため、内外のコーキングの両方に原因があると疑ってください。
雨漏りの原因がわからない、調べ方の3つのポイントとは?
雨漏りの原因を正確に調べるには、専門業者に依頼するのが最適です。
しかし、業者依頼するのには時間がかかり、目の前で起きている雨漏りの原因をすぐに特定するには不向き。
そこで本章では、自分で雨漏りの原因を特定するときの3つのポイントを解説します。
ポイント1.一階の雨漏りはベランダ・外壁ひび割れをチェック
建物の一階で雨漏りが発生した場合は、ベランダやバルコニーのひび割れ・破損を疑いましょう。
ベランダやバルコニーからの雨漏りは、排水溝のつまり・防水塗膜の劣化・表面のひび割れなどをチェックしてください。
建物の増築にともなってベランダを設置した場合は、ベランダと屋根の接合部から雨漏りする場合も。
ベランダと屋根の接合部のコーキングに劣化がないかや、屋根材に浮きがないかなどをチェックしてください。
ポイント2.漏水による雨漏りは水道メーターをチェック
水を使っていないのに水道メーターが回っている、晴れているのに雨漏りするといった場合は、吸排水管の漏水を疑いましょう。
給排水管が通っているのは、エアコン・浴室・洗面所・キッチンなどです。
ただし、エアコンからの雨漏りは吸排水管の漏水だけが原因ではない点に要注意。
エアコンの排水管が詰まっていた場合でも、雨漏りに似た状況が発生するため、状況を確認しながら漏水と詰まりの両方を疑ってください。
なお、排水管の詰まりは、専用の工具(1,000円程度)で解消できます。
ポイント3.窓周囲の雨漏りは結露をチェック
外壁や屋根など、一通りチェックしても雨漏りの原因が特定できない場合は、結露が原因になっている場合があります。
窓枠の下の部分に水濡れを見つけたときは、結露を疑ってみましょう。
結露は、ストーブを使う冬は特に発生しやすく、定期的な換気で対策できます。
定期的な換気が難しいときは、結露対策グッズを活用するのがおすすめです。
除湿剤や除湿シートなどは、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
簡単にできる2つの雨漏り応急処置とは?
雨漏り修理業者が到着するまでにできる、簡単な応急処置を解説します。
応急処置に必要な物品は以下の通り。
- ブルーシート(ビニールシート)
- おもり
- ガムテープ・ビニールテープなど(防水性の高いもの)
- タオル
- 新聞紙
- バケツ・たらいなど
物品の準備ができたら、雨漏りの原因になっている箇所を保護しつつ、二次被害を防止します。
本記事は、屋根をはじめとする高所での作業を推奨しておりません。雨や風のある状況での作業は、転落による怪我のリスクがありますので、専門知識や命綱がない状態での作業は控えてください。
応急処置1.外壁・屋根の雨漏り箇所をブルーシートで保護
ブルーシートは、ホームセンターですぐに入手できて防水効果がある上に、サイズが豊富なため雨漏りの応急処置にぴったりです。
ブルーシートは大きめのサイズを選んで、広範囲にかぶせて保護するのがポイント。
広範囲にかぶせておけば、雨漏りの原因を正確に特定できない場合も安心です。
ブルーシートの固定には、おもりやテープを使うのがおすすめです。
ロープでの固定は、家屋を傷つける原因になり、雨の中でのロープワークは転落のリスクも想定できます。
なお、ブルーシートで屋根を保護するときは、命綱の装着を忘れないようにしましょう。
強風が吹いている・不安があるといった場合は、無理をせずに、次で解説する二次被害の防止に努めてください。
応急処置2.雨漏りの二次被害を防止
雨漏りの二次被害を防止するには、バケツ・たらいを置く方法が最も手軽です。
水しぶき対策は、新聞紙やタオルを周囲に敷くのが安全です。
糸をピンや画びょうなどで固定して、水を伝わらせる方法もありますが、設置する際に転落するリスクがあります。
介護用のおむつがある場合は、バケツやたらいを置くよりも確実な対策が可能。
介護用のおむつは吸水性が高いため、水しぶきが発生しにくく、水を捨てる手間もありません。
就寝時のように、雨漏りの箇所から長時間離れるときは、フラットタイプのおむつと大容量の尿取りパッドを併用すると良いでしょう。
夜間用の尿取りパッドであれば、800ml程度の容量があり、溢れてもフラットタイプのおむつがカバーしてくれます。
雨漏り発生後にとるべき3つの行動とは?
雨漏りが発生したときに取るべき行動は、下記の2つです。
雨漏りの修理はもちろんのこと、健康被害を防止するためにはカビ対策も必須。
本章では、雨漏り修理業者を選ぶポイントや、カビ対策の必要性を解説します。
行動1.業者へ雨漏り修理の依頼
雨漏りの修理業者を選ぶときは、複数の候補をあげて、比較するのが大切です。
電話対応の誠実さや実績の豊富さのほか、火災保険に対応しているかや見積もり作成が無料かなどもチェックしましょう。
見積もり書は、重点的にチェックするのがおすすめ。
見積もり書を比較すると、修理費用の相場把握や優良な業者かの判断ができるためです。
費用が相場からかけ離れていたり、見積もり書に「雨漏り修理一式」と詳細が記載されていない業者は避けるのが賢明です。
行動2.雨漏り後はカビの発生状況を確認
雨漏りで湿度が高まると、天井や壁にカビが発生する確率が高まります。
特に注意すべきなのは、天井のカビです。
天井のカビは、部屋全体に拡散しやすく、健康被害のリスクも高まります。
カビは次亜塩素酸ナトリウムやアルコールで除去できるため、できる限り早期の対応がおすすめです。
同時に、壁紙の表面のほかに、壁材の裏側にも広がっている可能性がある点にも気を付けましょう。
壁材の裏側は、表面に比べて湿気がこもりやすいため、カビが広範囲に増殖しやすい特徴があるためです。
天井の壁紙に発生したカビを除去してから、数週間でカビが再発した場合は、壁材の裏側でカビが増殖している可能性があります。
場合によっては、専門業者への依頼が必要な場合もあるため、雨漏り後はカビの状態に気を配ってください。
なお、カビの除去方法は「天井のカビ取りで大量発生を防止!除去できない時の対処法も紹介」で詳しく解説しています。
行動2.雨漏りの再発防止には定期点検が必要
雨漏りは、繰り返すほどに建物にダメージを蓄積されます。
木造建築物であれば、木材を中心に腐食が進む原因となり、鉄筋コンクリート造であればコンクリートの割れや鉄筋のサビなどの原因になります。
雨漏りの再発を防止するために、定期的な外壁・屋根の点検を実施して、必要に応じてこまめに補修しておきましょう。
店舗の雨漏りやカビの発生でお困りの方へ
本記事では、雨漏りの原因や調べ方を解説しました。
特に大切なのは、以下3つのポイントです。
- 雨漏りの応急処置には原因特定が欠かせないが、原因特定は困難な場合が多い
- 雨漏りの応急処置は無理せず、二次被害の防止に努めるほうが安全・確実
- 雨漏り発生後は、カビの発生に注意すべき
梅雨や秋などは、降雨量が多く湿度が高い季節なため、雨漏りとカビには要注意です。
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