結論から申しますと、コーキングで雨漏り修理は可能ですが、応急処置レベルです。
今回は、コーキングを使って雨漏りを修理する方法を解説しますが、応急処置にすぎないことを理解したうえで施工しましょう。
コーキングで雨漏りを修理した後にすべきことについても、あわせて参考にしてみてください。
目次
コーキングで雨漏り修理の3ステップ
コーキングによる、雨漏り修理の手順は以下の通りです。
さっそく、各ステップを詳しく解説します。
ステップ1.コーキング修理する「雨漏り箇所の確認」
雨漏りの原因を明確化できるほど、コーキングによる雨漏り修理が的確になります。
コーキングが割れや剥がれ、部材のひび割れなどがないかをチェックしましょう。
注意すべきポイントは、チェックするのは屋根だけではない点です。
「雨漏り=屋根」と考えがちですが、壁に原因があることも。
チェックした際に、部材が大きく破損している箇所がある場合は、コーキングで対応できるレベルではありません。
すぐに専門の修理業者に依頼しましょう。
おすすめの雨漏り修理業者は「雨漏り修理業者10選!選び方のポイントやDIYがNGな理由も解説」に掲載しています。
ステップ2.コーキングの雨漏り修理に必要な「資材の準備」
コーキングの雨漏り修理に必要な資材は以下の通りです。
- コーキング剤:屋根や壁など、部材や修理箇所によって適切なものを選ぶ。
- コーキングガン:コーキング剤を押し出す道具。ホームセンターで入手可能。
- カッター:古いコーキング剤をはがすために使用。刃の幅が広い工業タイプが使いやすい。
- マスキングテープ:コーキング剤が不要部分に付着するのを防ぐ。
- ヘラ:コーキング剤の施工後、表面をならすのに使用。
- プライマー:コーキング剤と建築部材の接着を強化する薬剤。
- ハケ:プライマーを塗るときに使う。専用のハケもあるが、絵の具用の筆でも可。
コーキング剤は、330ml入りで約3mの施工が可能です。
DIYにありがちなミスを想定しつつ、少し多めに用意しておくと、何度もホームセンターに足を運ばずに済みます。
プライマーとコーキング剤は、同一メーカーのものを選ぶのがポイント。
メーカーは、他社製品との接着試験を行っておらず、接着力不足による剥離が発生するおそれがあります。
ステップ3.コーキングを使って「雨漏り箇所の修理」
コーキングの雨漏り修理手順は以下の通りです。
- 古いコーキング剤をはがす
- マスキングテープで周囲を保護する
- プライマーを部材に塗る
- コーキング剤を充てんする
- コーキング剤の表面を平らにならす
- マスキングテープをはがす
- コーキング剤の硬化を待って完成
コーキング剤を剥がさず、増し打ちをする場合は、古いコーキング剤に直接プライマーを塗ってください。
壁のひび割れを、コーキング剤で補修する場合も同様です。
マスキングテープは、コーキング剤が硬化するとはがれにくくなるため、必ず乾く前にはがしましょう。
【種類別】屋根の雨漏りをコーキングで修理するときのポイント
屋根の種類によっては、コーキング補修時にしてはいけないことがあります。
代表例としては、以下の2点です。
さっそく、それぞれを見てみましょう。
横方向のコーキング修理はNGの「瓦屋根」
「瓦は、ズレて雨漏りする」と感じるかもしれませんが、横方法のコーキングはやってはいけません。
瓦屋根は水の流れを考えられており、瓦のすき間をコーキングで埋めると、思わぬ弊害が生じることも。
よくあるのは、水がうまく流れずに水はけが悪くなり、雨漏りが悪化するケースです。
どうしても瓦のズレが気になる場合は、瓦の一辺をコーキングするのではなく、半分にとどめるようにしましょう。
瓦のズレを防止しつつ、瓦の機能を損ねるリスクがほとんどなくなります。
交換の検討も必要な「スレート屋根」
スレートとは、粘板岩を薄い板状に加工した建築材です。
最近では、セメントを固めた化粧スレートが主流で、高いデザイン性があるため人気があります。
スレート屋根はコーキングを使って「雨漏り箇所の修理」で解説した方法で、コーキング剤で補修が可能です。
ただしスレート屋根は、破損の状態によっては、交換したほうが早い場合がある点に注意。
破損個所が多いと、屋根材に必要な硬度が保てなくなる可能性があります。
そのため、損傷個所の交換を視野に入れて検討するのがおすすめです。
コーキング修理以外、2つの雨漏り応急処置方法とは?
コーキングを使った雨漏り修理は、ある程度まとまった時間がなければ困難です。
そこで、コーキング修理以外の雨漏り応急処置方法を解説します。
コーキング以外の雨漏り応急処置方法
方法1.ブルーシートで雨漏り箇所を覆う
台風が過ぎ去った後に、飛ばされた屋根をブルーシートで代用している様子を、ニュースでご覧になった経験がある方もいるのではないでしょうか。
ブルーシートは、適度に厚みがあるほか「ハトメ」と呼ばれる穴があり、災害時にも活用しやすいのです。
屋根の代用品としてブルーシートを購入するときは、厚さとサイズを間違えないのがポイント。
厚さは「#3000」と書いてあるものを、サイズは雨漏り箇所よりも大きめなものを選びましょう。
ブルーシートを設置するときは、水分を通さないよう、しっかりと密閉してください。
防水テープと併用すると、より高い雨漏り防止効果が得られます。
方法2.防水テープで雨漏り箇所をふさぐ
雨漏りの原因がはっきりとしていて、補修範囲が狭い場合は、防水テープを直接貼り付けても構いません。
防水テープを貼りつける手順は以下の通り。
- 部材のホコリや汚れを、ぬらした布で拭き取る
- 乾燥を待つ
- 防水テープを圧着する
防水テープを貼る際は、下から上に向けて重ねて貼っていくのがコツです。
そうすると、水が入り込みにくく、防水効果が高まります。
トタン屋根の雨漏りを修理する場合は、表面にアルミ箔が貼られた防水テープを選びましょう。
より耐久性が高く、屋根の代用として適しています。
トタン屋根の場合は、角部分をいかに密着させられるかが防水効果を左右するのもポイントです。
定規のように、身近にある薄いものを活用してみてください。
DIYに不慣れな場合でも、角部分に防水テープを密着できます。
コーキングで雨漏りを修理する前に必見、3つの注意点とは?
コーキングで雨漏りを修理する前に、知っておくべき注意点は3つあります。
注意点ごとに、詳しく解説します。
コーキングの雨漏り修理前に押さえるべき注意点
注意点1.コーキングの雨漏り修理は応急処置レベル
コーキングによる雨漏り修理は、応急処置にしかすぎません。
そもそも、雨漏り箇所に合っている修理方法が、コーキングで合っていない場合も見受けられます。
雨漏り修理業者の中には、見ただけで適切な修理方法がわかる人がいるかもしれません。
しかし、それは豊富な経験があってこそ可能なのです。
さらに言えば、コーキング剤の施工にはある程度の技術が必要です。
コーキング剤を扱う経験が浅ければ、雨漏りを修理しきれない事態も想定できます。
これらの理由から、雨漏りのコーキング修理をDIYするのは、応急処置レベルといえるでしょう。
注意点2.コーキングでの雨漏り修理後はカビが発生しやすい
湿気の多い壁や天井には、当然カビが発生します。
そして「天井のカビ取りで大量発生を防止!除去できない時の対処法も紹介」で解説している通り、天井のカビには特に注意が必要です。
通常カビは、天井や壁の表面に付着・増殖しますが、雨漏りの場合は壁や天井の裏側から広がりやすいのが特徴。
部材の裏側から浸食してきたカビを、自力で除去するのはほぼ不可能です。
コーキングで雨漏りの応急処置をした後は、なるべく早く専門業者に見てもらいましょう。
注意点3.コーキングの雨漏り修理後は調査を依頼すべき
雨漏り修理業者は、打診調査や赤外線調査などを使用し、目に見えない部分の調査を行います。
それに対して、自分で雨漏り箇所を特定するには、目視で確認するしかありません。
雨漏りの原因が確実でない状態では、応急処置以上の修理は見込めないでしょう。
特に悲惨なのは、雨漏りによって建築部材に傷みが生じているケースです。
建築部材の湿度が高い状態が続けば、地震の際に倒壊するリスクが高まります。
打診調査や赤外線調査は、そういった建物の状態も把握可能な手段です。
打診調査や赤外線調査に関しては「外壁調査とは?求められる背景・方法・費用について徹底解説」をご覧ください。
コーキングで手に負えない雨漏り修理でお悩みの方へ
今回は、以下3つのポイントをお伝えしました。
- 雨漏り修理はコーキングでDIY可能
- 雨漏り修理のDIYは、応急処置レベルが限界
- 雨漏りには、カビや部材の腐食などが発生する可能性が高く、業者に依頼するのがベスト
コーキングでは手に負えない雨漏りは、専門の修理業者に依頼しましょう。
一般住宅の雨漏りであれば、火災保険で対応可能な場合がほとんどです。
その点を考慮すると、雨漏り修理業者はコストの心配なく、確実に雨漏りを修理できる存在です。
しかし、ビル・スーパー・工場など、一般の雨漏り修理業者では対応が困難な事例があります。
その際は、株式会社ギアミクスにお問い合わせください。
株式会社ギアミクスは、雨漏り修理のほか、様々なビルメンテナンスを手掛けております。
雨漏り後のカビ対策にも精通しており、訪れる方を不快な気持ちにさせる心配もありません。