外壁塗装施工や建設現場では欠かせない足場ですが、足場は購入せずに専門業者からレンタルできます。
しかし、足場をレンタルする際の費用相場について知らない方がほとんどでしょう。
本記事では、足場のレンタル費用の相場から、足場をレンタルするメリット・デメリットについて詳しくご紹介いたします。
足場のレンタル費用の相場を知っているだけで、業者と円滑に見積りや話し合いを進められます。
今後、施工を依頼予定の方や足場のレンタルを検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
目次
そもそも足場を設置する目的とは?
業者からの施工見積り書を見たら、足場代が想像以上に高くてビックリした経験はありませんか。
「こんなに費用がかかるなら、足場の設置を止めようかな…」と思った方も少なくないでしょう。
しかし、足場の設置は施工時に必須です。
ここからは、足場が必要な理由を3つご紹介します。
正確な施工をするため
一般的に施工場所は、2階建て以上のマンションや高層ビルなどが多いと言われています。
高所での作業は、足場での安定した足元が確保できていないと正確に施工することが難しいかもしれません。
大事な建物や住宅を正確に施工してもらうためにも、足場の設置は欠かせません。
作業員の安全を配慮して事故を防ぐため
脚立やはしごで届く距離ならば、足場の設置は要らないのではと思うかもしれませんが、脚立やはしごの上の作業は非常に不安定です。
例えば、塗装工事の場合だと作業員は片手に塗料缶、もう片方の手にはローラーを持ち、両手が自由に使えない状態で脚立やはしごに登り、塗装することになります。
不安定な足元かつ高所での施工は、作業員が滑って転落したり、塗装缶や道具などが落下したりする危険性は避けられません。
転落など不慮のアクシデントを防ぐには、手すりなどが設置してある足場は必要不可欠です。
近隣への洗浄水や塗料の飛散を防ぐため
足場は、高精度の施工と作業員の安全以外にも、近隣への配慮にも繋がる大事な役目があります。
例えば、外壁や屋根の塗装工事をする際に、塗装の汚れや塗料が誤って周辺に飛散する可能性もあります。
また、高い水圧で外壁面や屋根の汚れを吹き飛ばす高圧洗浄の作業中に、水が周辺に飛び散る恐れもあるでしょう。
足場の設置後に足場全体を養生シートで覆ったり、飛散防止シートを貼ったりすれば、近隣へのトラブルも避けられます。
足場レンタルの費用の算出方法とは?
足場の重要性についてご紹介しましたが、実際に足場をレンタルする際にいくら必要なのか気になる方が多いでしょう。
ここからは、足場のレンタル専門業者が行っている足場費用の算出方法についてご紹介します。
算出方法の基本は面積
ほとんどの足場のレンタル専門業者は、足場の貸し出しと設置料金は「面積(1㎡あたり)」で算出しています。
足場の面積の算出方法は以下の通りです。
足場の面積=(家の外周+足場から外壁までの距離値)×高さ
基本的に足場は、建物の外壁よりも0.6m程度の距離を設けて組み立てを行うため、足場の外周は建物の外周より一回り大きい面積となります。
さらに足場の高さは、家の高さに1m足して算出することを留意してください。
足場費用の計算式
足場の面積を求めたら、次に足場の設置費用を掛けることで大体の足場の費用が算出されます。
一般的に足場の設置費用の相場は、1m²あたり700円〜1,000円。
飛散防止ネットも必須で、相場は1m²あたり100円〜200円と足場の費用に含まれていることが多いです。
足場費用の概算は以下を参考にしてください。
足場費用=足場の面積×(足場設置費(700円~1000円)/㎡+飛散防止ネット(100円~200円)/㎡)
足場の設置・解体以外にも、施工期間中の足場のメンテナンスも含めた金額も一緒に請求されます。
足場レンタル費用の相場とは?
足場のレンタルの費用の算出方法を把握できたら、ここからは実際の足場のレンタルの費用の相場を確認していきましょう。
施工とセットで業者に委託する場合
一般的な2階建ての戸建ての場合、足場と飛散防止ネットを合計した足場のレンタル費用は30日間で大体15〜20万円ほどです。
ただし、レンタル費用は足場を設置する敷地の規模や施工日数によって変動するので、注意してください。
足場のレンタルと施工をセットで業者に委託する場合は、足場のレンタルとは別に施工費用が請求されます。
一般的な外壁の施工と費用は下記の通りです。
- 塗装: 60〜180万円(5〜14日間)
- カバー工法(重ね張り) :130〜220万円( 10〜20日間)
- 張り替え: 150~300万円 (10〜25日間)
また施工を業者に依頼しようと検討中なら、1か所ずつ施工を依頼するのではなく、一気にまとめて施工を依頼しましょう。
施工を2回に分けると、足場も2回設置・解体しなければなりません。
まとめて施工すれば、足場代が1回分つまり約15〜20万円のコストが削減できます。
足場のみをレンタルしたい場合
近年のDIYの人気により、足場のみを業者に委託して、自分で塗装などの施工をしたい一般住宅にお住まいの方もいらっしゃるでしょう。
先述した通り、一般的な2階建ての戸建ての場合、足場のレンタル価格は30日間で大体15〜20万円ほどです。
しかし、DIYを検討されている方は作業日数がかかることに注意してください。
例えば、2階建て戸建ての塗装を専門業者で施工しても、2人がかりで2週間程度かかると言われています。
DIYに慣れていない方が施工をすると、足場のレンタル期間を過ぎても施工が未完成のまま、さらにレンタル費用を追加しなければならないリスクがあることは留意しましょう。
足場を購入する場合
建築資材の販売業者なら枠組足場の部材一式が100万円〜、通販サイトなら足場の枠組に使用する部材単体を販売しています。
しかし、足場を購入しただけでは、足場を組み立てることはできません。
「足場の組立て等作業主任者」という国家資格の取得が必須です。
また足場の部材は1つ1つが大きいため、足場を解体・保管しようとすると広いスペースが必要で、組み立ての際にはクレーン車なども必須なことは留意しましょう。
足場レンタルのメリットとは
ここからは、足場をレンタルするメリットについてご紹介します。
資金を有効活用
先述した通り、施工に対応できる量の足場を購入しようとすると100万円以上と莫大な初期投資が発生します。
一方で足場をレンタルすると、施工を実施する際に必要な量だけを借りられるので、大幅にコストの削減が実現します。
メンテナンスや廃棄処分費用を削減
足場を購入したら、自社で足場のメンテナンスをしなければなりません。
安全に施工するためには足場のメンテナンスは必須で、自社でメンテナンスを行えば、手間や人件費が発生してしまいます。
また、足場を廃棄処分しようとすると高額な費用が発生します。
一方で足場を専門業者からレンタルすれば、面倒なメンテナンスなどは全て業者が行ってくれます。
足場を保管・メンテナンスする費用や手間なども考慮すると、足場のレンタルなら費用対効果があります。
保管場所を確保しなくてもいい
足場を自社で保有する場合、足場を保管するための広いスペースが必要になります。
自社の敷地内に十分な保管場所がなければ、賃料を払って保管場所を確保しなければなりません。
足場をレンタルした方が、月々の賃料のコストも発生しないためお得と言えるでしょう。
足場レンタルのデメリットとは
足場をレンタルするメリットをご紹介しましたが、残念ながら足場をレンタルするデメリットもあります。
延長料金が発生する
足場をレンタルする際に、レンタル期間が設定されています。
足場を組む建設現場では、悪天候やアクシデントなどで施工が中止になり、予定通りに施工を終了させることが難しい場合もあります。
やむを得ず工期が延長になれば、期日までに足場の返却ができず延長料金が発生することがあるでしょう。
「レンタル期間が延長できるのか」、「延長料金はいくらなのか」などをあらかじめ業者に確認することをおすすめします。
破損しないように注意して使わなければならない
予期せぬアクシデントなどでレンタルした足場を破損してしまった場合、業者から修理代金や買替代金を請求されるかもしれません。
作業員が足場を慎重に取り扱うように、広く注意を呼びかけることを徹底しましょう。
足場レンタルに関してよくある2つの質問
ここからは、足場のレンタルに関して多くの方から寄せられる2つの質問をご紹介していきます。
足場を無料で設置してくれるのは本当か?
見積りを依頼した際に「今日中に契約すれば、足場代は無料です」と営業してくる業者もいるかもしれません。
しかし、足場を無料で設置することはあり得ません。
足場の費用の内訳は「足場の運搬費」「足場を組み上げる施工費」「足場を崩す解体費」「人件費」などで、足場の設置・解体には最短でも設置1日、解体1日と合わせて2日間は必須になります。
上記のように手間暇がかかる足場代が無料と誘う業者は疑った方がいいかもしれません。
労働安全法に違反している足場か、「材料費」や「施工費」として足場代が上乗せされている可能性もあります。
「足場代無料」の営業トークに惑わされることなく、信頼できる業者がどうかを精査しましょう。
DIYで足場を設置できるのか?
先述した通り、一般住宅の施工費用を抑えたい方の中には、はしごや脚立またはホームセンターで手に入る単管パイプなどでDIYした簡易足場で済まそうと検討している方もいるかもしれません。
しかし、DIYの簡易足場の使用は安全面から見て非常に危険です。
また足場の取り扱いは、国家資格を有する者しかできません。
労働安全衛生法により、つり足場や張出し足場、高さが5m以上の構造の足場の設置・解体などを行う際には、「足場の組立て等作業主任者」という国家資格を保有した者による現場の指揮が義務付けられています。
重大な事故を起こさないためにも、DIYで足場を設置せずに、足場の専門業者からレンタルすることを推奨します。
まとめ 足場レンタルの相場を比較して、コスト削減をしながら足場を設置しよう!
足場は、作業員が高所での作業を安全かつ正確に施工するためには、欠かせません。
場所やメンテナンスに手間とコストがかかる足場は、専門業者からレンタルすることをおすすめします。
レンタル費用は業者によって異なります。
足場レンタルの費用相場を把握して、複数の業者から見積りを取り、適切な業者を選定しましょう。
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