飲食店やスーパーマーケットなど食品を扱う店では、衛生管理を徹底する必要があります。
もし、店が不衛生だと保健所からの行政指導が入ります。
改善が見られない場合は最悪、行政処分が下り店の営業ができない恐れがあります。
この記事では、保健所が衛生管理のために飲食店やスーパーマーケットに実施する検査やカビ対策について詳しくご紹介しています。
カビ対策を万全にしていれば、保健所からの抜き打ち検査も怖くありません。
飲食店やスーパーマーケットを経営されている方は、ぜひ最後までご一読ください。
目次
飲食店を開業するには、保健所から「営業許可」が必要
食品を提供する際は、保健所へ行き、営業許可を申請する必要があります。
保健所からの営業許可を取得する流れは以下の通りです。
- 事前相談
- 営業許可申請
- 施設検査の打ち合わせ
- 施設検査
- 営業許可証交付
- 営業開始
営業許可申請から施設検査まで日数がかかりますので、余裕を持って保健所に行きましょう。
保健所から飲食店の「営業許可」を取得する際の要件とは
飲食店やスーパーマーケットが保健所から営業許可を取得するには、ある要件を満たしていないといけません。
ここからは、2つの要件についてご紹介します。
食品衛生責任者の配置
保健所が営業許可を出すための必須要件は、食品衛生責任者の設置です。
食品衛生責任者は、店内の衛生状態を保ち、管理する役目を担っています。
店舗ごとに食品衛生責任者を選任し、保健所に届け出が必要なので注意しましょう。
設備に関する要件
施設検査の際に、保健所は飲食店内や調理場の衛生面・安全面を事前に細かくチェックします。
チェック項目は保健所によって異なりますが、主なチェックポイントは以下の通りです。
- 調理場の床は防水で、清掃しやすいか
- 壁は耐火・耐水性になっているか
- 調理場のシンクは、食品と食器洗いが別々にできる2槽式になっているか
後ほど、さらに詳しく設備に関するチェックポイントについてご紹介します。
保健所がチェックしている飲食店の衛生管理ポイントとは
保健所が、飲食店やスーパーマーケットに営業許可を出す前にチェックしている衛生管理ポイントについてご紹介します。
店内・天井のカビ
店内の床や壁、天井材の排水が良く、清掃しやすいかチェックされます。
特に調理場は、油分が飛んだり、食品が落ちたりと清掃のために大量の水を使用します。
調理場の床が板張りだと想定すると、浸水が原因で板張りが腐ったり、カビが繁殖したりする危険性があります。
店内の床や壁、天井材は、耐水性に優れているコンクリートやタイルを選びましょう。
さらに、水捌けを良くするために、床勾配をつけることをおすすめします。
同様に、客席にカーペットを使用すると、液体の汚れがカーペットに染み込んでしまい、カビが発生する可能性が高まるので注意しましょう。
店内スペースの用途を区別
飲食店の場合、調理場と客席とを仕切りなどで明確に区別する必要があります。
仕切りに使用するものは、スイングドアやウェスタンドアでも問題ありません。
店内の換気
食中毒の原因となり得るカビや結露の発生を抑えるために換気は欠かせません。
調理場だけでなく、客席にも防虫・防塵対策のシャッター付き換気扇の設置をおすすめします。
ネズミやゴキブリなどの害虫対策
店舗内に、ネズミやゴキブリなどの害虫の侵入を防ぐための対策は必須です。
網戸や換気扇のシャッター、排水口の金網などを設置しましょう。
ただし、ホウ酸団子や殺虫剤などは設備として認められませんので注意してください。
トイレ
店舗内に、従業員数に応じた数の従業員専用のトイレが設置されているかもチェックされます。
特にトイレの場所が重要です。
調理場や食品庫のすぐ近くにトイレがあるなら、感染症が拡大するリスクがあるので注意しましょう。
従業員専用の手洗い設備
従業員専用の消毒剤を備えた流水式の手洗い設備の設置も義務づけられています。
設置の際は、雑菌がつきやすい石鹸の使用は推奨されておらず、液体洗剤を使用した方が良いでしょう。
また、自治体によってはトイレの外に利用客専用の手洗い設備が必要な場合もあります。
食器や食品の保管場所
ホコリや雑菌、害虫の侵入、油跳ねなどにより食器が汚れることを防ぐために、戸が付いた棚に食器を保管することが求められます。
また、食品を適正温度で保存するために、適切な大きさの冷蔵設備と温度計を冷蔵庫や冷凍庫に設置しましょう。
ゴミ箱
調理場には、蓋が付いているゴミ箱の設置が必須です。
蓋が付いていないゴミ箱を使用すると、異臭や感染症を引き起こす恐れがあります。
開けっ放しのゴミ箱は客席からの見た目も悪くなるので、ステンレス製やプラスチック製の蓋付きゴミ箱を用意しましょう。
飲食店に対する保健所の食品衛生監視指導とは
食品衛生監視指導とは、保健所や行政が食の安全、安心を確保するために食品衛生に関する計画や検査、指導などを実施することを指します。
行政指導には法的な拘束力はありませんが、改善が見られない場合は行政処分が下されるリスクがあります。
何らかの社会的制裁を加えられた場合、店のイメージも悪くなるでしょう。
次からは、保健所が飲食店に実施する検査方法についてご紹介します。
収去検査(抜き取り検査)
収去調査とは、食品に付いている細菌や食品添加物を調べて、食中毒の原因となる微生物や有害物質が含まれていないかなどを検査することを指します。
一般的に、食品が傷みやすく、食中毒の発生が多い6月〜10月や魚介類・牡蠣を取り扱う店は11月〜3月に実施されます。
抜き打ち検査・臨検
抜き打ち検査・臨検とは、保健所が臨時で店に立ち入り、設備や管理体制が衛生的に運用されているかを検査することを指します。
飲食店が保健所に通報されてしまうケースとは
利用客や内部告発により、飲食店が保健所に通報されてしまうケースがあります。
ここからは、一般的なケースをご紹介します。
食品衛生は、健康に直結する最優先事項ですので、万全の注意を払いましょう。
異物混入
食品に髪の毛やホコリなどの異物が混入していると、利用客が不快に感じ保健所に通報されやすいです。
また、湿度が高い梅雨の時期はカビの繫殖にも要注意です。
店内の壁にカビが生えている場合、保存している食品にまでカビが繁殖する危険性が十分にあります。
こまめに冷蔵庫や食品庫の清掃や換気を行い、カビが生えないようにしましょう。
食中毒の疑い
飲食した直後に胃腸炎や発熱など利用客の健康に被害があった場合には、食中毒の疑いがあり保健所に通報されます。
食中毒を引き起こす原因は、細菌やウイルス、原虫、化学物質などで、利用客の健康に多大な影響を及ぼしかねません。
特に高温多湿な夏場は、食品が腐りやすく、細菌やウィルスが繁殖しやすいので細心の注意を払いましょう。
店内が不潔
飲食を提供する場が不潔であると、不快に感じる利用客は少なくありません。
特にカビが生えていると「不衛生な店」という悪い印象を与えやすいです。
売り上げにも関わるので、清掃をきちんと行い、清潔感溢れる運営を心がけましょう。
飲食店やスーパーマーケットが気を付けるべきカビの恐怖とは
身の回りでよく見かける黒色のクロカビやススカビ、青色のアオカビ、黄土色をしたコウジカビなどを放っておくと人体に悪影響を及ぼし、健康を害する恐れがあります。
ここからは、飲食店やスーパーマーケットに気を付けてほしい毒性を持つカビの恐怖についてご紹介します。
カビの発生条件とは
カビは、食中毒の原因になる大腸菌やO-157と同じ微生物です。
文部科学省によると、一般的にカビが繁殖しやすい条件は主に以下の通りです。
- 70%以上の湿度(60%以上から活発に活動、80%以上で一気に繁殖)
- 15~30度の気温(25~28度がもっとも生育に最適)
- 栄養分(食べカスやホコリ、髪の毛、汚れ、ダニなど)
肉眼ではわかりにくいですが、空気中には常にカビの胞子が浮遊しています。
カビの胞子は、壁などに付着してホコリなどを栄養分にして、高温多湿の場所で空気中の水分を利用して増殖します。
カビにとって、飲食店やスーパーマーケットは最高の住処といっても過言ではありません。
カビが人体や施設に与える影響
カビはチーズや味噌などの熟成に利用される一方で、人体や施設に悪影響を与えます。
肌のかゆみや感染症、アレルギー、肺炎、食中毒などを引き起こしたり、建物自体の劣化を早め雨漏りや外壁材の落下の原因になったりします。
保健所の指導対象になる
誰も、カビを見ながら飲食店で美味しい食事を味わいたいと思わないでしょう。
店の天井や床にカビが広範囲に繁殖していれば、保健所の指導対象になる恐れがあります。
また、スーパーマーケットで購入した食品にカビが生えていた場合、保健所に通報されることもあるでしょう。
飲食店やスーパーマーケットがやるべきカビ対策とは
ここからは、飲食店やスーパーマーケットが取り組むべきカビの予防法や生えてしまったカビの対処法をご紹介します。
徹底した清掃・換気
毎日の清掃・換気は欠かせません。
調理場や洗面台など濡れた箇所はこまめに水分を拭き取ったり、サーキュレーターで空気を循環させたりすることを徹底的にやりましょう。
見落としがちですが、天井も静電気でホコリが溜まりやすいので意識して清掃してください。
また、カビのエサとなる食べ残しや期限切れ食品などを廃棄する食品ロスを防ぐのも有効的です。
結露対策
冷蔵庫や冷凍庫の周囲に発生する結露も放置するとカビの繁殖の原因となります。
結露は多湿で温度差がある場所で発生しやすいので、
- 温度差をなるべくなくす
- 除湿器を使用する
- 換気扇を回す
などの対策をしましょう。
市販の薬剤でカビ除去
万が一カビを発見したら、まずは市販の塩素系漂白剤や消毒用エタノールなどでカビを除去するのもおすすめです。
ただし、市販の薬剤では頑固なカビは完全に除去できない場合もあるので、注意しましょう。
カビ除去はプロの業者に任せるのが一番!
自力でカビを除去しようとすると、時間や手間がかかります。
換気が不十分で体調が悪くなったり、天井のカビを除去しようとしたら落下してしまったりと思わぬトラブルが発生するかもしれません。
飲食店やスーパーマーケットのカビを除去したい際は、信頼できるプロの業者に依頼するのが一番でしょう。
カビ除去の依頼について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
カビ取りは専門業者に依頼すべき?悩んだときのポイントを解説
まとめ 保健所を怖がる必要なし!飲食店やスーパーマーケットはカビ除去対策を欠かさずに実施しよう
カビは見た目だけでなく、食中毒などの健康被害、建物の劣化などさまざまな箇所で悪影響を及ぼす恐れがあります。
特に飲食店やスーパーマーケットでは、カビを放置したままだと、保健所の指導対象となりますので注意が必要です。
ギアミクスなら、飲食店やスーパーマーケットの天井、壁、バックヤード、生ゴミ庫などのカビ除去・防カビ施工を請け負っています。
食品にも使用される成分を主とした特殊洗浄剤を用いて、カビ菌のタンパク質を分解・剥離。
また、天井や壁材には、特殊洗浄剤を塗布浸透または噴霧浸透させるので、躯体や下地を傷める心配はありません。
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