外壁調査の費用相場とは?おこなう理由や方法、業者選びのポイントを解説

外壁調査の費用相場とは?方法、業者選びのポイントを解説

外壁は、建物を雨風や日光から守ってくれる存在ですが、劣化しやすいため定期的なメンテナンスが必要となります。

メンテナンスの方法やタイミングを決める方法として利用するのが外壁調査です。

とはいえ、外壁調査の種類や業者選びがわからない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、外壁調査の種類や相場費用、業者選びのポイントを解説します。

外壁調査をおこなう2つの理由

外壁調査をおこなう理由は主に、以下の2つです。

  1. 外壁の劣化を確認するため
  2. 罰金が発生する可能性があるため

それでは、2つの理由を解説します。

理由1.外壁の劣化を確認するため

外壁は常に雨風や日光に当たっているため、経年とともに劣化します。

マンションや高層ビルなど頑丈なコンクリート製の外壁であっても、劣化は避けられません。

雨風や日光で劣化した外壁には、以下のような症状が起こります。

  • ひび割れ
  • 浮き
  • 剥離
  • 破損

タイルやモルタルなどの外壁材は、剥離が酷いと落下する危険性が高くなるため、安全確保のためにも定期的に外壁を調査する必要があります。

理由2.罰金が発生する可能性があるため

建築基準法によって、一定以上の床面積がある建物は竣工(しゅんこう)、もしくは外壁修理をおこなってから10年経つと全面外壁調査をおこなわなければなりません。

もし、10年以上経過しているにもかかわらず外壁調査をしない場合や、虚偽の報告をした場合には罰金が科せられる可能性があるため注意が必要です。

建築基準法の第8条第1項には、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と記載。

さらに、第12条第1項では、「これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない」と定められています。

参考:建築基準法 | e-Gov法令検索

したがって、適切な維持管理や、定期的な調査・検査結果の報告は所有者・管理者の義務であり、定期報告を怠ったり、虚偽の報告をおこなったりすると罰金が発生。

ただし、3年以内の外壁改修工事の実施がすでに決まっている場合は猶予、歩行者などに危険が及ぶ部分に安全策を講じている場合は部分的な打診調査でも良いなどが認められる場合もあります。

外壁調査の方法

外壁調査の種類には、打診調査と赤外線調査の2種類あります。

それぞれ、調査方法はもちもん費用やかかる時間が異なるため、外壁調査を依頼する際にはしっかりと違いを理解しておくことが大切です。

また、調査する場所によっては、打診調査と赤外線調査を組み合わせる場合もあります。

それでは、各特徴を見ていきましょう。

1.打診調査

打診調査は、壁の表面を打診棒と呼ばれる棒で叩き、音の違いで外壁材の浮きあるか調査する方法です。

打診調査では、高所作業車やゴンドラ、仮設足場、ロープなどを使用し、高所で作業員が壁に異常がないか検査します。

音の違いだけでなく、目視でひび割れや剥離がないか調べるのも打診調査の特徴です。

経験豊富な作業員が打診調査をおこなえば、修理が必要な部分を的確に見つけられるでしょう。

ただし、高所での作業は調査できる範囲が限られてしまい、人手も必要になるため費用が高くなりやすいです。

2.赤外線調査

赤外線調査は、壁を赤外線カメラで撮影し、壁の温度変化で浮きやひび割れ、剥離がないかを検査する方法です。

赤外線カメラで壁を撮影すると、温度が高い部分は赤くなり、温度が低い部分は青く画面に表示します。

外壁が浮いていると、外壁と下地の間ある空気層に熱がたまりやすく、ほかの部分より温度が高くなりやすいため、赤外線調査での検出が可能です。

赤外線調査は画像解析をおこなうだけのため、打診調査よりも短時間かつ低コストで外壁の劣化を調査できます。

打診調査と赤外線調査を組み合わせる場合もある

赤外線調査によって外壁の浮きが疑われる部分を打診調査すれば、より正確に外壁の状態を確認できます。

立地の条件的に赤外線調査だけでは正確な調査が困難な場合、打診調査と組み合わせて外壁を検査する場合もあるでしょう。

外壁全面を打診調査するよりも、赤外線調査を組み合わせれば時間と費用を抑えられます。

外壁調査の種類別メリット・デメリット

次は、外壁調査における打診調査と赤外線調査のメリット・デメリットを紹介します。

それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、どちらを選択するか検討してみてください。

打診調査のメリット・デメリット

打診調査のメリットは確実な点検ができる点で、デメリットは工期が長くなる点です。

打診調査では、作業員が外壁を目視するため、確実性の高い点検ができます。

赤外線調査では発見できないような不具合を見つけられる点は、打診調査を利用する大きなメリットといえるでしょう。

一方で、足場の設置や作業員の増加により、人件費がかかるため費用が高くなりやすい点がデメリットです。

足場の組み立てや解体には時間がかかるため、その分工期も延びてしまいます。

最近では、屋上からロープを垂らして調査する方法もあり、仮設足場を必要としないため、費用や工期の節約も可能です。

赤外線調査のメリット・デメリット

赤外線調査のメリットは料金や工期を少なく点で、デメリットは調査結果が信憑性に欠ける点です。

赤外線調査は足場を設置する必要がなく、撮影するだけで作業が完了するため、打診調査に比べて費用や工期を少なくできます。

高所を作業する作業員も不要で、落下事故などの危険性が低いため、学校などの公共建物では赤外線調査が選ばれがちです。

一方で、赤外線調査は調査結果の信憑性に欠ける特徴もあります。

赤外線カメラによる撮影や解析のみで外壁を調査するため、細かい浮きやひび割れが判断しづらい点が欠点です。

外壁調査にかかる費用

次は、外壁調査にかかる費用を紹介します。

高所での作業が多い打診調査の方が、赤外線調査より費用が高くなりやすいです。

それでは、外壁調査にかかる費用について解説します。

外壁調査の費用相場

外壁調査の費用相場は、打診調査が1㎡あたり約280~700円、赤外線調査が1㎡あたり約120~350円。

外壁調査にかかる時間は、打診調査が1日~1週間ほどで、赤外線調査が半日~1日ほどです。

打診調査の費用

打診調査の費用相場は、1,500㎡あたり23~197万円ほどです。

打診調査の場合、マンションか戸建てかによって費用が大きく異なります。

ビルや集合住宅の場合、表面積が大きいほど足場の面積や作業員が増加し、工期の長くなるため費用が高くなりがちです。

足場を組むと、設置と解体だけでそれぞれ1日かかるため、赤外線調査よりも工期が長くなります。

なお、屋上からロープを垂らして調査する方法なら、足場を組む調査よりも費用や時間の節約が可能です。

目視法による調査に費用がかかる場合が少なく、予備調査も含めた調査状況の報告にかかる費用が加算される傾向となっています。

赤外線調査の費用

赤外線調査の費用相場は、1,500㎡あたり23~156万円ほどです。

最低費用は打診調査とさほど変わりませんが、費用が高くなると40万円近くの差があります。

諸経費として状態を報告するために画像解析費用などが追加となる点は、打診調査と同じです。

ただし、現地撮影費用や機器使用料が追加でかかる場合があります。

とはいえ、ビルの面積が大きくなってもかかる費用は大きく増えない場合が多く、トータル面積が大きいほど赤外線調査の方が打診調査よりもコスト面を抑えることが可能です。

外壁調査にかかる費用の内訳

外壁調査には、人件費や機器使用料、仮設費などがかかります。

打診調査の場合は人件費と間接費が高くなる傾向にあり、赤外線調査の場合は機器使用料が高くなりやすいです。

ほかにも諸経費などがかかりますが、報告書の作成や熱画像の分析、ひび割れや剥離など損傷部分を依頼者に伝えるための書類作成にかかる手数料が追加されやすい費用です。

外壁調査を業者に選ぶ際のポイント2つ

外壁調査を業者に依頼する際には、以下のポイントに気をつけましょう。

  1. 見積もりを依頼する
  2. 実績や信頼のある業者に依頼する

外壁調査は、建物の安全性を確認するために重要な検査です。

いくら費用が安くても、作業が適当だったり、信頼できなかったりすると、後々トラブルにつながる可能性もあります。

業者選びに失敗しないためにも、外壁調査を依頼する際には複数の業者に問い合わせてみましょう。

それでは、外壁調査を業者に依頼する際のポイントを2つ解説します。

ポイント1.見積もりを依頼する

外壁調査に対応している業者は沢山いるため、まずは複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。

見積もり自体は、無料で対応してくれる業者も沢山いるため、気軽に相場費用や工期などを比較できます。

相場費用を把握していれば、怪しい業者にも騙されにくいため、相見積もりを取ることが非常に大切です。

ポイント2.実績や信頼のある業者に依頼する

外壁調査で正確な調査をおこなうには、作業員の経験が重要となります。

業者によっては調査費用の安さをアピールしている場合もありますが、依頼するなら実績や信頼がある業者を選びましょう。

実績が豊富な業者に相談すれば、費用を考慮しつつ依頼した建物に合った調査方法を提案してくれます。

外壁調査を依頼する際は、公式サイトで業者の実績や信頼性を確認しておくことが大切です。

外壁調査の費用は業者や方法によって異なる

この記事では、外壁調査の種類や相場費用、業者選びのポイントを解説しました。

建物が完成してから10年経過すると外壁調査をおこなわなければならず、そのまま放置していると罰金が発生する可能性があるでしょう。

外壁調査にかかる費用は、調査方法や検査する建物の規模によって異なります。

業者によってもかかる費用や工期が異なるため、外壁調査を検討しているなら、まずは複数の業者に問合せし相見積もりを取ってみてください。

ギアミクスは、打診調査やロークアクセス事業、外壁・看板補修をおこなっている会社です。

2016年に設立し、今では全国の企業と取引している実績と信頼がある建設会社といえます。

外壁調査や外壁補修を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。