キュービクルの値段はどのくらい?費用対効果や中古の相場も解説

キュービクルの値段はどのくらい?費用対効果や中古の相場も解説

「電気代節約のためにキュービクル購入を検討しているけど、導入費用が高いのではないか」

と心配ではありませんか?

キュービクル導入時の値段は200万円以上が一般的ですが、長期的にみると

  • コンビニで3000万円
  • スーパーマーケットで4000万円

ほどの利益も可能です。

本記事では、キュービクルの値段メンテナンスにかかる費用のほか、キュービクルの費用対効果などについても詳しく解説していきます。

コスト削減の手立てを探している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

キュービクルの値段

キュービクルを導入する際にかかる値段は、

  • 本体価格
  • 設置費用

の2つの合計になります。

双方を合わせた値段の目安は、大体200万円~500万円あたりです。

それぞれの内訳を詳しく解説していきます。

本体価格

キュービクルの本体価格は、キュービクルが発電できる規模によって異なります。

各キュービクルの本体価格の目安は以下の通りです。

規模 施設例 本体価格
100kw コンビニ、小規模店舗 200万円前後
200kw 中規模店舗、小規模工場 350~450万円
300kw 中規模工場、スーパーマーケット 550~650万円
500kw テナントビル(大規模)、製造工場、病院 1000~1200万円

設置費用

キュービクルの設置費用は、キュービクルの規模や会社によって異なります。

多くの場合、本体購入と設置を別の業者に頼むと、設置費用が高くなりやすいです。

理由としては、キュービクルの移送や設置にかかるコストが個別に発生する点が挙げられます。

それぞれの業者に割引を掛け合ったとしても、経費を抑えられるわけではないので、大幅な値下げは見込めません。

キュービクルの値段を下げたい場合は、キュービクルの購入と設置を同じ業者に依頼して、なるべくコストを抑えるようにしましょう。

中古キュービクルの値段

中古キュービクルは、新品キュービクルよりも割安で購入できます。

中古キュービクルの値段例は以下の通りです。

規模 施設例 本体価格
100kw コンビニ、小規模店舗 130万円前後
200kw 中規模店舗、小規模工場 175~360万円
300kw 中規模工場、スーパーマーケット 275~520万円
500kw テナントビル(大規模)、製造工場、病院 500~960万円

新品よりも大体4~5割ほど安くなると考えれば良いでしょう。

ただし、中古キュービクルは元々の製品を丸々使っているわけではなく、複数のリサイクル部品を組み合わせて作られていることがほとんどです。

リサイクル部品の選別や修理、部品の組み合わせに精通した業者を選ばなければ、早期の事故などトラブルにつながってしまいます。

中古キュービクルは安さだけで選ばずに、業者の技術や実績も見て購入するようにしましょう。

キュービクルのメンテナンス費用

キュービクルは設置して終わりではなく、

  • 保安点検費用
  • 部品交換・修理費用

といったメンテナンスも必要です。

『自家用電気工作物』に位置付けられるキュービクルには、電気主任技術者による毎月もしくは隔月1回の保安点検と、年1回の年次点検が義務付けられています。

社内に電気主任技術者がいない場合は、保安点検の外部委託が必要です。

点検で異常が見られた場合は、部品の交換修理費用もかかってきます。

それぞれの費用について、詳しく解説します。

保安管理費用

キュービクルの保安点検費用は業者にもよりますが、

  • コンビニなどの小規模な施設で月1万円前後
  • 大きな工場やショッピングセンターで月5~6万円前後

が目安です。

部品交換・修理費用

キュービクルは複数の変圧部品を1ヶ所にまとめている箱なので、各部品が壊れたら修理や交換が必要です。

各部品の寿命目安は以下の通りで、少なくとも10年ほど経過しないと修理や交換は発生しづらいと言えます。

部品 寿命目安
気中開閉器 10~15年
電力ヒューズ 15年
変圧器 20年
保護リレー 15年

各部品の交換や修理にかかる費用は規模や内容によって異なりますが、大体数十万円~数百万円かかることが多いです。

修理の費用例を以下に挙げます。

修理内容 費用例
高圧ケーブルとLBSの更新工事 130万円
UGS開閉器の新設工事 69.5万円
トランス・PAS VTLA・高圧ケーブル交換工事 300万円

ただし、業者によってはキュービクル管理を一任することでメンテナンス費用を大幅に値下げしてくれることもあります。

業者のサービスや保障内容を確認して、長期的な計画を立てましょう。

キュービクルの耐用年数とは?設置する必要性や必要な手続きを解説

キュービクルのメンテナンスを怠るリスク

キュービクルは、発電所から送られる高圧電気を自社で降圧する『自家用電気工作物』です。

電力会社の変圧機器を使わない分コストは抑えられますが、キュービクルにトラブルが起きると、

  • 自社の停電
  • 漏電による火災

といった事態が発生し、ひいては電気を供給している配電線の停止によって広範囲に停電が広がるリスクもあります。

このように、自社の敷地内だけではなく、周辺地域にまで影響を与える事故を波及事故と言います。

キュービクルのトラブルから波及事故につながってしまうと、その被害ははかり知れません。

キュービクルによる波及事故の最大の原因は、自然劣化であることが分かっています。

波及事故は適切なメンテナンスによって防ぐことが可能なので、保安点検は必ず実施するようにしましょう。

キュービクルの費用対効果

キュービクルには初期費用やメンテナンス費用がかかりますが、実は長期的にみるとさらに大きな利益が見込めます

こちらでは、コンビニとスーパーマーケットについて、

  • 新品のキュービクルを設置して20年間営業した場合
  • キュービクルを設置せずに20年間営業した場合

の経費を比較しました。

電力会社は東京電力とし、基本料金は計算に含めません。東京電力の電気料金は、以下の通りです。

  • 従量電灯B(300kWh以上):30.57円/kWh
  • 高圧電力:17.37円/kWh(夏季)、16.24円(その他季)

(引用:東京電力エナジーパートナー株式会社

コンビニの場合

コンビニの1日の消費電力は、大体400kwh~500kwhほどです。

ここではコンビニの1日の消費電力を450kwhと仮定します。

キュービクルを使わなかった場合

  • 1日の電気代:30.57円×450kWh=13,756.5円
  • 20年間の電気代(365日/年計算):11,737.5円×365日×20年=85,683,750円
  • 電気代だけで約8570万円

キュービクルを使った場合

  • キュービクル設置費用:約200万円
  • キュービクルの保安点検費用:1万円×12か月×20年=240万円
  • 修理費用:0円~100万円程度
  • 1日の電気代(夏季7/1~9/30):17.37円×450kWh=7,816.5円/(その他季):16.24円×450kWh=7,308円
  • 20年間の電気代(365日/年計算):(7,816.5円×92日×20年)+(7,308円×273日×20年)=14,381,440円+29,670,480円=44,051,920円(約4400万円)
  • 設置費用+点検・修理費用+電気代=約5000万円

キュービクルを使えば、20年間で3000万円以上節約可能

スーパーマーケットの場合

スーパーマーケットの1日の消費電力は、大体550kwhほどです。

キュービクルを使わなかった場合

  • 1日の電気代:30.57円×550kWh=16,813.5円
  • 20年間の電気代(365日/年計算):16,813.5円×365日×20年=122,738,550円
  • 電気代だけで約1億2270万円

キュービクルを使った場合

  • キュービクル設置費用:約550万円
  • キュービクルの保安点検費用:1万円×12か月×20年=240万円
  • 修理費用例:0円~300万円程度
  • 1日の電気代(夏季7/1~9/30):17.37円×550kWh=9,553.5円/(その他季):16.24円×550kWh=8,932円
  • 20年間の電気代(365日/年計算):(9,553.5円×92日×20年)+(8,932円×273日×20年)=17,578,440円+48,768,720円=66,347,160円(約6630万円)
  • 設置費用+点検・修理費用+電気代=約7800万円

キュービクルを使えば、20年間で4400万円以上節約可能

キュービクル購入の際の注意点3つ

キュービクルは決して安い買い物ではありません。

購入の際は以下3点に注意して、確実にコストを削減していきましょう。

  1. 複数業者から見積もりを取る
  2. 返金保証がある業者を選ぶ
  3. 実績豊富な業者を選ぶ

①複数業者から見積もりを取る

キュービクルの導入には、本体価格のほか設置費用もかかります。

設置費用はキュービクルの規模や建物の状態、業者などによって変わるので、一概にいくらとは言えません

自社にキュービクルを導入した場合の相場は大体いくらなのかを把握するためにも、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。

②返金保証がある業者を選ぶ

キュービクルは長期的にみると大規模なコスト削減につながる設備ですが、一度故障してしまうと多額の費用がかかります

設置から10年以上経過した場合は十分もとが取れますが、設置から数年で故障してしまうと、コスト的には大きな打撃です。

キュービクル業者の中には、設置から数年の保証期間を設けていたり、管理を委託することで修理を無償で行ってくれたりする業者もいます。

契約の前に保証内容を必ず確認して、何かあったときのコストを最小限に抑えられるようにしましょう。

③実績豊富な業者を選ぶ

キュービクルは電気代の節約に大変役立つ設備ですが、一度事故が起きてしまうと莫大な損害が発生します。

事故を避けるためには、正しい方法での設置とメンテナンスが欠かせません。

キュービクル業者の技術がたしかなものであるかどうかは、業者の実績を見れば明らかです。

実績の数や、施工した建物の種類などを確認して、信頼できる業者かどうか判断するようにしましょう。

正しくキュービクルを選んで費用対効果を最大化!

キュービクルの値段は、本体価格と設置費用を含めると200万円以上はかかります。

保安点検などのメンテナンスも必要なので一見高額に感じますが、仮に20年間運用したとすると、

  • コンビニで3000万円
  • スーパーマーケットで4400万円

ほどの経費削減が見込める設備です。

正しく運用すれば長期的に大きな利益を見込めますので、本記事で紹介した『キュービクル購入の際の注意点3つ』も参考にしながら、キュービクル購入を検討してみてくださいね。