外壁の修理費用は、劣化症状や範囲によって異なります。
修理が遅れると、さらに劣化が悪化してしまい費用がかさむ可能性もあるため、早めの対処が必要です。
しかし、どのタイミングで修理すれば良いのか分からない方もいるでしょう。
この記事で、外壁修理が必要な状態や費用、業者選びのポイントを解説します。
劣化症状を見極め、適切な対処をおこなうために、ぜひ参考にしてみてください。
外壁は約10年ごとに修理が必要
サイディングやコンクリート、モルタルやALCパネルなど建物の外壁にはさまざまな種類があります。
どの外壁でも毎日紫外線や雨風にさらされているため、10年ほどで劣化するでしょう。
耐久性が低い塗料で塗装している外壁や、海辺に近く潮風が当たりやすい環境にある建物は、10年も経たずに劣化する可能性があります。
しかし、約10年ごとにメンテナンスをおこない塗装すれば、耐久力の維持が可能です。
簡単な作業はDIYできますが、基本的に外壁修理は専門業者に依頼する方が良いでしょう。
外壁の修理は業者に依頼する方が良い
外壁の修理を安く済ませるために、DIYを考える方もいるでしょうが、外壁補修は業者への依頼をおすすめします。
素人だけでは、外壁の劣化状況を見極め、正しい方法で解決するのは困難です。
誤った補修方法やコーキング材を使用すると、かえって耐久性を低下させ劣化が酷くなる可能性があります。
さらに、外壁補修では高所作業をおこなう場合も多いため、怪我をする危険性もあるでしょう。
誤った補修をおこなうと、余計に費用がかかるため、始めから業者に依頼することが大切です。
外壁の修理が必要な6つの状態
外壁には、さまざまな劣化症状が発生します。
劣化した状態を放置していると、さらに症状が酷くなり修繕費が高くなるため、早めに対処することが重要です。
では、外壁修理が必要な6つの状態を紹介します。
外壁修理1.亀裂や欠け
外壁に亀裂やかけがある場合は、修理が必要です。
ひび割れが生じると、防水能力が低下し、隙間から雨水が侵入するため外壁内部の木材や鉄骨が劣化します。
亀裂がある範囲が狭い場合は一部補修で対応できますが、外壁の経年劣化が原因の場合は補修後に塗装が必要です。
さらに、劣化により外壁が欠けている場合は、一部補修または張り替え工事をおこないます。
外壁修理2.凹み
外壁が外部から衝撃を受けて、凹んでいる場合や穴が開いている場合には修理が必要です。
小さい凹みや穴でも、外壁全体の耐久性を低くする原因になります。
症状が小さい場合は部分補修できますが、大きな傷がある場合には外壁の一部交換や一部左官作業が必要です。
外壁修理3.反りや浮き
外装材(サイディング)を使用している外壁では、サイディングの裏に雨が入ると反りや浮きが発生します。
つまり、反りや浮きは外壁が水を吸収するようになることが原因で生じる劣化です。
サイディングボートは、水を吸収し膨張した状態で日光に当たると表面が乾き変形します。
サイディングボートが変形すると元に戻せないため、張り替えが必要です。
外壁修理4.チョーキング
チョーキングとは紫外線や風雨によって生じる劣化症状で、見た目が白っぽく見えたり、外壁の色が剥がれて見えたりします。
チョーキングが発生している外壁は、塗装している表面の樹脂が劣化し、塗料がチョークのような粉状です。
チョーキングは発生している場合は塗装による防水効果は得られないため、外壁塗装をおこなう必要があります。
外壁修理5.外壁の剥がれ
外壁の表面が剥がれている場合には、張り替えもしくカバーといった修理が必要です。
剥がれが生じている症状は、外壁に水がしみ込んでいる状態で、上から補修や塗装をおこなってもすぐに剥がれ落ちてしまいます。
外壁が常に湿っていると、内部の防水紙や木部に湿気が伝わるため、劣化や雨漏りといった症状が発生するでしょう。
外壁修理6.デザイン替え
外壁修理とは少しニュアンスが異なりますが、サイディングボードの張替えや塗装の塗り替えをおこなうと、建物全体の印象が変わります。
DIYで建物のデザインを変えたいと思う方もいるでしょう。
しかし、外壁補修には足場の設置や外壁洗浄など素人では作業が難しく、塗料やコーキング材のミスによって防水機能を失い、建物の寿命を短くしてしまうリスクもあります。
DIYは手間がかかり、補修方法を間違えるとかえって費用がかさむため、プロの業者に依頼した方が安全です。
外壁の修理方法と費用
外壁の修理方法は、劣化状況や修理内容によって費用が異なります。
修理と聞くと壊れた部分を直す作業をイメージしやすいですが、コケやカビといった汚れを落とす洗浄や、鉄部のサビ落としも含むため作業方法はさまざまです。
では、外壁の修理方法5つの特徴と費用を解説します。
【外壁修理方法】1.外壁補修
外壁補修には、シーリング補修や左官補修が含まれます。
一部の補修だけなら費用は抑えられますが、建物全体が劣化している場合には足場架設が必要で、費用は1平方メートルあたり700~900円ほどです。
シーリング補修の費用は劣化している部分の数によって異なり、1か所10,000 ~50,000円ほどかかります。
補修にかかる時間は20ほどと、1日で終わるケースがほとんどです。
劣化によりモルタル外壁などが剥がれている場合には、左官補修をおこないます。
左官補修にかかる費用は、1平方メートルあた3,500~7000円です。
補修する範囲によって異なりますが、作業は1~2日で完了します。
【外壁修理方法】2.外壁塗装
外壁全体が劣化している場合には、外壁塗装をおこないます。
外壁塗装の費用は使用する塗料によって異なりますが、30坪2階建ての外壁が150平方メートルある場合は約70~160万円です。
外壁塗装は基本的に建物全体におこなうため、高所作業に必要な足場代を含みます。
なお、外壁が水分によって劣化している場合は塗装しても剝がれてしまうため意味がありません。
【外壁修理方法】3.外壁張り替え
雨漏りなどにより外壁が劣化している場合には、張り替えが必要です。
外壁張り替えの費用は、1平方メートルあたり4,500~7,000円で、全面張り替えには200~280万円ほどかかります。
日々新しい製品が開発されている外壁材は、建築時に選んだ同じものと種類がない場合もあるため注意しましょう。
一部のみ張り替える場合の作業は1~2日、全面の張り替えには3~4週間ほどかかりますが、雨が降ると作業できないため、天候によって工期が長引く可能性があります。
【外壁修理方法】4.外壁カバー
外壁が広範囲で劣化している場合には、カバー(重ね張り)工事が適しています。
張り替えでも外壁修理できますが、カバー工事だと撤去費用がかからないため、より費用を抑えることが可能です。
しかし、雨漏りしている場合には、外壁を撤去し内部の防水紙を変える必要があるためカバー工事はできません。
外壁カバーの費用は使用している外壁材によって異なりますが、1平方メートルあたり3,500~6,000円です。
作業にかかる時間は2~3週間ほどで、天候によって延びる場合もあります。
【外壁修理方法】5.目地補修
目地補修には、打ち換えと増し打ちの2種類あります。
打ち換えは、既存の目地(コーキング)を除去し、新しい目地を充てんする方法で、費用は1メートルあたり700~1,200円です。
一部のみ補修する場合は半日ほどで終わりますが、建物全体では2~3日かかります。
手が届かない箇所や建物全体を補修する場合には、足場架設費用も必要です。
増し打ちは、既存の目地の上から新しい目地を充てんする方法で、撤去作業がないため1メートル500~700円と打ち換えより費用を抑えられます。
しかし、増し打ちは劣化したコーキングは剥がれる際に新しいコーキングも剥がれてしまうため、あまりおすすめできません。
窓サッシ周りや入角(角の内側)などの、増し打ちせざる得ない場合のみ使用する修理方法で、工期は1~2日です。
外壁の修理・補修業者を選ぶ際のポイント
外壁の劣化を放置していると、建物自体の寿命を早めてしまうため、迅速な対処が必要です。
高所作業も多い外壁修理を安全かつ正確におこなうためには、業者に依頼する方が良いでしょう。
では、外壁の修理・補修業者を選ぶ際のポイントを2つ紹介します。
【外壁業者】ポイント1.過去に実績がある
悪徳業者や知識がない業者に依頼しないためにも、過去の実績を確認しましょう。
業者の実績は、ホームページで確認できますが、施工事例を掲載していない場合もあります。
そのような場合には、業者に直接聞いて見たり、近隣に施行した建物がある場合は見に行ったりする方法が有効です。
さらに、業者によって得意分野が異なるため、判断基準として住宅診断士や外壁劣化診断士などの資格保有者が在籍しているか確認しておくと、より安心して依頼できます。
【外壁業者】ポイント2.保証内容がしっかりしている
保証内容がしっかりしている業者を選ぶと、工事後にトラブルが起きても安心です。
外壁の劣化状況によっては、修理・補修した後にも不具合が生じる場合はあります。
トラブルが起きた場合、連絡したらすぐに対応してくれる業者を選ぶことが大切です。
業者によって保証内容が異なるため、事前にアフターサービスについて確認しておきましょう。
外壁修理の費用は劣化状態によって異なる
この記事で、外壁修理が必要な状態や費用、業者選びのポイントを解説しました。
外壁にひび割れや欠け、凹みや剥がれなどの劣化が生じた場合には早めに修理しましょう。
さまざまな種類がある外壁ですが、どれも10年ほどでメンテナンスが必要になり、費用な劣化症状や範囲によって異なります。
業者に依頼する際には、過去の施工実績や保証内容を確認することが非常に大切です。