エレベーターリニューアルのタイミングはいつ?理由や費用目安も解説

エレベーターは長年使用することで劣化し、安全性や運行効率が低下していきます。

しかし「どのタイミングでエレベーターをリニューアルすべきか」と悩んでいる管理者やオーナーの方も多いのではないでしょうか。  

エレベーターリニューアルのタイミングを逃してしまうと、突発的な故障や修理費の増加などリスクが生じる可能性が高いです。

一方でリニューアルを実施すれば、エネルギー効率の向上や維持管理コストの削減も期待できます。  

本記事では、エレベーターリニューアルのタイミングや理由、費用目安について解説します。

エレベーターのリニューアルを検討すべきタイミング

エレベーターのリニューアルを適切なタイミングで行うことで、住民の安全を確保し、建物の資産価値を維持できます。

エレベーターの寿命や故障のサイン、生産パーツの供給終了などリニューアルを検討すべきタイミングについて解説します。

エレベーターの寿命を迎える

寿命が近づいたエレベーターは、リニューアルや改修工事を検討しましょう。

エレベーターの寿命は一般的に20〜25年とされており、この期間を過ぎると主要部品の劣化が進み、安全性や運行効率が低下する可能性が高まります。


老朽化したエレベーターは、突然の故障や運行停止のリスクが増えるだけでなく、最新の安全基準を満たしていないかもしれません。


一方で新しいエレベーターは、省エネ性能や耐震性能が強化されたモデルが多く、リニューアルによって運用コストの削減や住民の安心感が期待できます。

故障や不調が頻発する

エレベーターの故障や不調が頻発するなら、リニューアルや改修工事を検討すべきタイミングといえます。

部品の劣化や全体的なシステムの老朽化が進んでいる可能性が高く、放置すると事故や重大なトラブルにつながる恐れがあるためです。


不調のサインには、運行中の異音や振動、運行速度の低下などが挙げられます。


安全性を確保して住民が快適に利用するためには、早めのリニューアルが必要です。

生産パーツの供給が終了する

メーカーが部品の供給を終了した場合も、エレベーターをリニューアルするタイミングです。

古いモデルのエレベーターでは、特定の部品が廃番となり、修理が難しくなる場合があります。


修理に必要な部品供給が終了すると、エレベーターの運行停止期間が長くなり、住民の生活に大きな影響を及ぼします。


特に高層マンションでは、エレベーターが利用できない状況が長期間続くことは深刻な問題です。


メーカーや保守業者からの部品供給終了の通知を受けた場合は、早急にリニューアルや更新工事の計画を立てましょう。

エレベーターのリニューアルを怠った場合のリスク

エレベーターをリニューアルしないまま使い続けると、安全性の低下や運用コストの増加、建物の資産価値の下落といったリスクが高まります。

リニューアルを先延ばしにした場合に起こり得る問題について解説します。

安全性が確保できなくなる

エレベーターのリニューアルを怠ると、安全性が確保できなくなります。

老朽化したエレベーターは、主要部品の摩耗や制御装置の劣化が進み、運行中の故障や停止のリスクが高いです。


最新の安全基準に対応していない場合、地震時の運転停止や停電時の非常用電源切り替えが機能しない可能性もあります。


また、ブレーキ装置やドアセンサーの劣化により、乗降中の事故や怪我につながるリスクも避けられません。

安全を維持するためには、適切なタイミングでのリニューアルが不可欠です。

エネルギー効率が悪くなる

リニューアルを行わないエレベーターは、エネルギー効率が低下し、電力消費量が増える傾向にあります。

古いモデルのエレベーターは、省エネ性能が現代の基準に達しておらず、運行コストが高くなりがちです。


24時間稼働するエレベーターでは電力消費が大きな割合を占めるため、住民の管理費や共用電気料金が増加する原因となります。

一方で最新のエレベーターは省エネ技術を活用し、エネルギー消費を削減する設計が一般的です。

リニューアルを先延ばしにすると、余計なコストがかかり続けてしまうため、将来を見据えてエレベーターの改修工事を検討しましょう。

資産価値が低下する

エレベーターのリニューアルを怠ると、マンション全体の資産価値が低下するリスクがあります。

朽化したエレベーターは、外観や運行性能の劣化が目立ち、物件の印象を悪化させる要因です。


購入希望者や賃貸を検討する人にとって、エレベーターの状態は住環境を判断する大切なポイントの一つなります。

マンションの価値を維持するためには、計画的なリニューアルを行い、快適で安全な設備を保つことが重要です。

エレベーターをリニューアルする流れ

エレベーターのリニューアルをスムーズに進めるためには、現状の確認や必要な改修内容を把握し、信頼できる施工会社としっかりと打ち合わせをすることが重要です。

エレベーターのリニューアルを進めるための基本的な流れを解説します。

建築確認を実施する

現在、設置されているエレベーターが最新の安全基準や法規制に適合しているかどうかを確認しましょう。

業者が現地調査を行い、エレベーターの構造や制御装置、耐震性能などを診断します。

調査結果を基に、必要な改修内容やリニューアルの規模が決定されます。

施工会社と打ち合わせをする

リニューアル計画を実行するためには、施工会社との綿密な打ち合わせが必要です。

まず現状の診断結果を基に、改修の範囲や具体的な工事内容について協議します。

部分的な部品交換に留めるのか、制御盤や駆動装置を含む全面的な更新を行うのかを打ち合わせしましょう。


打ち合わせでは、予算やスケジュールの確認も重要です。


工期中の住民の生活への影響を最小限に抑えるため、作業時間帯や騒音対策についても話し合います。

工期を利用者に周知する

エレベーターのリニューアルを円滑に進めるためには、工期を利用者に周知することも欠かせません。

住民がリニューアル工事のスケジュールや内容を把握できるように、事前に告知をしましょう。

工事開始日や終了日、作業時間帯、エレベーターの利用制限範囲などを明確に伝えます。

エレベーターのリニューアルはどこに依頼すべき?

エレベーターのリニューアルを検討する際「どの業者に依頼すればいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

独立系の業者かメーカー系の業者を選ぶべきか、それぞれの特徴やメリットを理解したうえで依頼しましょう。


独立系とメーカー系の違いやメリット・デメリットについて解説します。

独立系

独立系の業者は特定のメーカーに依存せず、幅広いメーカーの製品に対応できるのが特徴です。

複数メーカーのエレベーターが設置されている建物や、特定のメーカーの部品調達が難しい場合におすすめです。


独立系の業者は費用面でも柔軟性があり、予算に応じた提案を受けられます。

メーカー系

メーカー系業者は、そのメーカーのエレベーターに特化した専門知識や技術を持ち、設計から施工、保守まで一貫したサポートを提供します。

メーカー系業者の大きなメリットは、純正部品の使用による高い品質保証とメーカー独自の最新技術や機能を活用できる点です。


ただし、メーカー系のリニューアルは独立系業者に比べて費用が高くなる傾向があるので注意しましょう。

エレベーターのリニューアル費用・工期の目安

エレベーターのリニューアルは、工事の規模や内容によって費用や工期が変わるため、事前に目安を把握しておくことが大切です。

工事の種類ごとの費用や工期について解説します。

フルリニューアル(全撤去)工事

フルリニューアル(全撤去)工事は、既存のエレベーターを完全に撤去し、新しい設備を設置する工事です。

老朽化が進み主要部品の劣化が激しい場合や、メーカーが部品供給を終了している場合に適しています。

費用は、1基あたり約1,200万〜2,500万円が相場です。

工期は約1〜2ヶ月が目安ですが、建物の構造やエレベーターの仕様によって異なります。

フルリニューアルは費用と時間はかかりますが、最新技術を採用したエレベーターを導入することで、建物全体の資産価値が向上できるのがメリットです。

制御リニューアル工事

制御リニューアル工事は、エレベーターの心臓部である制御盤や電気系統を更新する部分的な改修工事です。

費用は1基あたり約400万〜700万円が目安で、フルリニューアルに比べて低コストで実施できる点が特徴です。


工期は1〜2週間程度が一般的で、更新内容によってはさらに短縮できる場合もあります。

準撤去リニューアル工事

準撤去リニューアル工事は、エレベーターの主要部品を部分的に交換しつつ、再利用可能な部品を活用する改修方法です。

費用は1基あたり約700万〜1,500万円が相場で、フルリニューアルと制御リニューアルの中間的な位置付けといえます。


工期は約15〜25日程度と比較的短期間で済み、安全性を確保しながら住民の利便性を向上させることが可能です。

エレベーターのリニューアルに利用できる可能性がある補助金

エレベーターのリニューアルには、バリアフリー化や省エネ対策、耐震補強などの目的で補助金が利用できる可能性があります。

エレベーターのリニューアルに利用できる可能性がある補助金は、以下を参考にしてください。

  1. バリアフリー改修に対する補助金

    高齢者や障害者の利便性向上を目的としたバリアフリー改修工事に対して、自治体が補助金を提供している場合があります。

    エレベーターのリニューアルがバリアフリー化に該当する場合、対象となる可能性があるので各自治体の公式ウェブサイトや窓口で確認しましょう。
  2. 省エネルギー改修に対する補助金

    エレベーターのリニューアルにおいて、省エネルギー性能の向上を図る場合、国や自治体からの補助金が適用される可能性が高いです。

    例えば、国土交通省の「
    建築物耐震対策緊急促進事業」では、耐震改修等と併せて行う省エネ改修などに要する費用が補助対象となります。

    具体的な情報は、経済産業省や各自治体のエネルギー関連部門に問い合わせてください。
  3. 耐震改修に対する補助金

    地震対策としてエレベーターの耐震性能を向上させるリニューアルを行う場合、耐震改修補助金の対象となることがあります。

    旧耐震基準で建設された建物に設置されたエレベーターの更新は、補助金の適用範囲となる可能性が高いです。


    詳細は、国土交通省や各自治体の建築関連部門で確認しましょう。

補助金や助成金の制度は地域や時期によって異なります。

最新の情報を得るためには、公式サイトや担当窓口に問い合わせてください。

エレベーターのリニューアルならギアミクスがおすすめ

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独立系の業者として、
特定のメーカーに限定されることなく、コストパフォーマンスに優れたリニューアルプランを提案可能です。

さらに、最新技術を活用した省エネ型や耐震性能強化型のエレベーターを提供し、運用コスト削減や安全性向上を同時に実現します。


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