コーキングとシーリングは同じ?外壁補修の必要性や方法を詳しく解説

コーキングとシーリングは同じ?外壁補修の必要性や方法を詳しく解説

コーキングは、外壁材の目地を埋めるために使用します。

コーキングにひび割れや縮みが確認できたら、注意が必要です。

初めは小さな劣化症状でも、放置すると大規模な外壁補修の工事が必要になるでしょう。

この記事では、コーキングとは何か・コーキングの種類や成分、外壁補修が必要なタイミングを解説します。

【外壁補修】コーキングとは?

外壁などにおこなうコーキングは、見た目がゴムのような素材で、外壁材同士にできる隙間を埋めるために充填剤を入れることです。

充填剤をコーキング材と呼び、外壁材だけでなく、浴槽と壁の隙間や、台所と壁の隙間などの水周りにも使用します。

コーキングとシーリングの違い

コーキングとシーリングと2つの呼び名に分かれていますが、違いは曖昧で、どちらも同じものと認識して問題ありません。

スマートフォンを、スマホと呼ぶ人や携帯と呼ぶ人がいるように、業者やメーカーによって呼び方が異なるだけです。

厳密には、コーキング(Caulking)には「隙間や穴に詰め物をする」と意味があり、シーリング(Sealing)には「密閉する」という意味があります。

そのため、目地に詰め物をする行為をコーキング、防水などを目的として詰め物をする行為をシーリングと分ける場合もあるそうです。

業者によって呼び方が異なりますが、基本的にはどちらでも通じる言葉のため、業者に依頼する際に気にする必要はありません。

外壁補修は業者に依頼する方が安全

充填剤はホームセンターで購入できるため、自身でコーキング補修を実施できますが、業者に依頼する方が安全といえます。

なぜなら、外壁補修は高所作業を伴う場合が多く、はしごから転落する可能性あるためです。

さらに、自身で選んだコーキング材の相性や打ち方が悪いと、雨漏りなどのトラブルを改善できず、またやり直す羽目になり、結果として業者に依頼した方が安く済む場合があります。

悲壮とは中途半端に外壁補修すると、かえって劣化する原因を生み高額になる可能性があるため、初めから業者に依頼した方が無難です。

【外壁補修】コーキング材の種類と成分

コーキング材には、大きく分けて1液型(1成分型)と2液型(2成分型)の2種類あります。

さらに、主成分によって類別でき、主に使用するコーキング材はウレタン・水性アクリル・シリコン・変性シリコンの4種類です。

コーキング材の種類によって特徴や耐用年数が異なるため、外壁材や劣化状況に合わせて選べるようにしておきましょう。

コーキング材の種類

コーキング材の種類は、1液型と2液型の2種類です。

1液型とは、空気中の水分に反応することで固まるタイプの充填剤で、カートリッジにセットすればそのまま施工が可能です。

ホームセンターなどで入手しやすく、専門知識を持たない素人でも扱えます。

2液型とは、基材に硬化剤を混ぜることで固まるタイプの充填剤です。

基材と硬化剤は専用の機械で混ぜなければならず、施工や管理に手間がかかるため、専門知識と技術を必要とします。

2液型は1液型より扱いにくいものの、耐久性が高く、寿命が長い点が特徴です。

コーキング材の成分

主なコーキング材の成分は、ウレタン・水性アクリル・シリコン・変性シリコンの4種類です。

ウレタン

ウレタン系、主にコンクリートのひび割れ補修やサイディング・ALCの外壁塗装時に使用するコーキング材です。

耐久性が高く施工後はゴムのような弾性を持ち、外壁材との相性が良いため、外壁目地に適しています。

耐用年数は約10~15年。

水性アクリル

水性アクリルは、主に新築のALCの外壁で使用していたコーキング材です。

濡れている場所でも充填できる特徴を持ちますが、肉やせしやすく耐久性が低いうえに、現在ではほとんど使用されることはありません。

耐用年数は約10年。

シリコン

シリコンは、コーキング材で最も使用されている種類で、耐水性や耐熱性、耐久性に優れています。

シリコンの特性を活かし、浴槽や水回り、窓のガラス周りによく使用されているコーキング材です。

注意点としては、基本的に重ね塗りできないため、塗装が必要な箇所で使用できません。

耐用年数は約10年。

変性シリコン

変性シリコンは一般的なシリコンと異なり、施工後に上から塗装できるため、外壁のコーキング材として優れています。

水周りでも使用でき、シリコンと比べて耐久性、ウレタンと比べて密着性は劣るものの、色数が豊富なため外壁のひび割れ補修で使用されるコーキング材です。

耐用年数は約10~15年。

外壁補修を怠りコーキングが劣化すると?

コーキング材の役割は主に、防水と緩衝材の2つです。

外壁の隙間を塞ぎ、雨水の侵入を防ぐことで、建物の構造体を守ります。

また、外壁材同士を繋ぐコーキングには弾力性があるため、地震などで発生する振動を吸収し、外壁の損傷を防ぐことも可能です。

しかし、コーキングが劣化するとこれらの効果が失われてしまいます。

では、コーキングの劣化により起こる症状を見てみましょう。

雨漏りにより腐敗する

外壁のコーキングが劣化し、ひび割れなどの症状を放置すると、外壁同士の隙間から雨水が侵入する可能性があります。

雨水が侵入すると、外壁材の腐敗に繋がるため、劣化症状を見つけたら素早く対処する必要があるでしょう。

外壁がもろくなる

建物には地震だけでなく、大型車両の通行や近隣の大規模な工事などにより、さまざまな振動が加わっています。

建物が揺れると外壁パネルは左右へ微妙に動くため、コーキングがクッションの役割を果たし、外壁にかかる圧力を吸収、さらに弾力性でもとへ戻す作用も担っているのです。

振動による外壁への損傷を防ぐコーキングですが、劣化すると弾力性が失われるため、外壁材そのものに割れや破損が生じる可能性が高まります。

コーキングの外壁補修が必要なタイミング

コーキング材は、外壁材の目地を埋めるだけでなく、外壁材のずれを吸収する役割を担う大切なものです。

外壁材には、太陽光や雨風、地震などによって、わずかではありますが収縮やすれが発生します。

外壁材に生じるずれを、伸縮性のあるコーキング材が吸収し微調整していますが、5~10年ほど経つと徐々に劣化し始めるでしょう。

次のような症状が外壁に現れたら、コーキング補修が必要です。

剥がれ

経年劣化などによって、コーキングがボロボロと剥がれ落ちてしまい、下地が見えてしまう場合があります。

コーキングの剥がれを放置すると、外壁の防水機能が低下するため、素早い補修が必要です。

ひび割れ

外壁のコーキングには、紫外線を浴び続けることで表面が収縮し、ひび割れが生じます。

なぜなら、コーキングには可塑剤(かそざい)と呼ばれる成分が含まれており、可塑剤は紫外線によって気化するため、コーキングの伸縮性が失されるためです。

ひび割れはコーキングの弾力性が失われてきている証拠のため、放置せず早めに補修しましょう。

破断

ひび割れを放置すると、コーキング材が硬くなり破断と呼ばれる症状が現れます。

破断とは、ひび割れが深くなり、コーキングの反対側まで割れが貫通する劣化症状です。

破断が生じるとが壁内へ雨水が侵入し、外壁の割れが広がっていきます。

破断がある場合には、直ちにコーキング補修をおこないましょう。

コーキングの外壁補修方法は2種類

コーキングの外壁補修方法には、2種類あります。

既存のコーキングを撤去し新たなコーキングを打つ「打ち替え」(打ち直し)と、既存のコーキングの上から重ねて「打つ増し」(打つ増し)です。

では、コーキングの外壁補修方法とメンテナンスが必要な期間を解説します。

打ち替え

打ち替えとは、既存の外壁コーキングを完全に剥がしてから、新たにコーキング材を充填する補修方法です。

打ち替えしたコーキングの耐用年数は基本的に7~10年、長くて15年前後。

古くなったコーキング材をすべて除去し、完全に新しくするため、工事費用が少しかかりますが、外壁の目地の隙間をしっかり塞げるため、防水性や柔軟性を確保できます。

増し打ち

増し打ちとは既存の外壁コーキング自体は何もせず、上から新たにコーキング材を充填する補修方法です。

打ち替えと異なり増し打ちの場合は、強度を失ってひび割れしたコーキングは修復できません。

さらに、もし目視できないコーキングの内部や裏側に、ひび割れや隙間が生じていても気づきにくい欠点があります。

新しいコーキング材と古いコーキング材が馴染まないため、増し打ちしても徐々に剥がれてしまうでしょう。

打ち替えに比べて、施工時間や工事費用を抑えられるものの、増し打ちしたコーキングは2~5年ほどしか持ちません。

コーキングは10年ほどでメンテナンスが必要

外壁のコーキングは、一般的に10年を目安にメンテナンスが必要といわれていますが、立地や気候によって劣化するスピードが異なります。

日常から外壁のコーキングを確認し、劣化症状を確認したらメンテナンスを検討しましょう。

コーキングに生じた小さなひび割れでも放置すると、雨水が室内に侵入する原因になり、雨漏りに繋がる危険性があります。

劣化症状が軽い場合には、自分で補修できますが、高所作業や劣化が酷い場合には業者に依頼した方が安全です。

また、確実に修復できるためやり直す必要がないため、結果的には自分で補修するより業者に依頼した方が安く済むでしょう。

コーキングの外壁補修は業者に依頼しよう

この記事では、コーキングの特徴や外壁補修が必要なタイミングを解説しました。

コーキングの役割は、主に防水と緩衝材です。

外壁同士の隙間を埋めることで雨水の侵入を防ぐとともに、コーキングが持つ性質により振動を吸収、弾力性でもとへ戻す作用を担っています。

一般的に、コーキングのメンテナンスが約10年ごとに必要ですが、立地や気候によって変動するため日頃から外壁の様子を確認しましょう。

外壁補修を自身でおこなうと、高所から落下する危険性や間違った施工によるやり直しが発生し余計な費用がかかる可能性があるため、業者への依頼がおすすめです。